Akiba Tatsu (by Tatsu Akiba) 収録曲解説
秋葉龍3rdアルバム"Akiba Tatsu"、1月28日リリースしました!

CDは各店舗で販売開始、サブスクでも配信開始致しました。
皆様もうお聴きいただけたでしょうか?
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【CD販売】
disk union:
ということで既に聴いて下さった方々に向けてこのアルバムの制作秘話や聴きどころ、裏話などを全曲話していこうかなと思います。
動画編集もやっているので本当は1本の解説動画として作ろうと思ったのですがあまりに自分の人前・カメラの前で喋る能力のなさにがっかりしたので文章でやることにしました。
それではどうぞ。
0. アルバム制作背景・全体像
本アルバムの制作開始は約2年前、そこから約半年で全曲作曲を終えその次の半年でドラム以外の録音を、次の8ヶ月ぐらいでドラム録音とミックスを終えたというタイムラインです。
制作開始時期の話を少ししましょう。
前回2ndアルバムCities in Pepoleをリリースしたのが2023年11月、翌12月には既に次の曲を作っていて、2024年1月には2曲デモができていました。これが本アルバム収録曲のOr O Or I(3曲目)及びSign Turn 4 Another 1(2曲目)です。
2ndアルバムが内容も制作期間も結構長かったので、次出すなら少し軽めにサブスクのみでEPとしてこの2曲を出そうかなと当初は思っていました。しかしその後の4月にGecko(Gamaとのプロジェクト)でEPを出したときに「アルバムは作らないの?」という反響がちらほらあったこと、デモ2曲をブラッシュアップしている傍らで他のマテリアルが続々とできつつあったことで「やっぱり思い切ってアルバムを出そう」という踏ん切りがつきました。
コンセプトアルバムとかではなくてもやっぱり自分はアルバム1枚を通して音楽を伝えたい人間なんだなと思いました。今後も、先行シングルや単発企画などはあってもこの考え方はそうそう変わらないと思います。
本アルバムの制作に当たって前作までと大きく違うところはほぼ全て生楽器であることでしょう。特にオルガンとドラムです。
オルガンは本作のライナーノーツを書いて下さったMJさんに以前譲っていただいたSuzuki Hammond XK-3を全曲で使いました。前作までの打ち込みでもそこそこいい音は出せていましたがやはり天下のハモンドで、自分でドローバーやパーカッション、ファズの組み合わせを模索して作った音は説得力が違います。
ベースやオルガンにかけるファズは今作からはJHS Pedals製SUPREMEを購入して使いました。デイヴ・スチュワート、ヒュー・ホッパーなどの素晴らしいファズサウンドを奏でる人たちの多くはShinei製のDuo Fuzzという日本製のアッパーオクターブファズをよく使っていました。ギターにこれをかけるのは好きではないのですがベースやオルガンとの相性は抜群だと思います。これの本物を買うとebayで10万前後(ひょっとしたら今はもっと高くなってるかも)ぐらいします。そこで、このDuo FuzzはUnivoxのSuper Fuzzというより有名な伝説的なファズとほぼ中の回路が同じなため、JHSによるSuper Fuzzの精巧なクローンモデルを購入しかけてみたところやはりピッタリ。
前作まではオルガンが打ち込みだったのでファズもPC上のプラグインで音作りしていたのですがやはり実際に実物のツマミをいじって音作りする方が僕は性に合っていました。


そしてドラム。先述のドラム以外を録り終えた段階では前作同様打ち込みでリリースしようとしていました。どこからどうやってリリースしようか考えていたところMJさんから、このバンドサウンドならドラムを生で録音した方が作品としてのクオリティが上がるとアドバイスを頂き、確かにこれまでの活動で色んな魅力を持った沢山のドラマーと出会ってきたし、各曲で色々なドラマーにお願いしたら面白い作品になるのではないかと思い総勢5人のドラマーにお願いして生ドラムを録音しました。レコーディングではまずベースとドラムあたりのベーシックトラックから録音することが多いですがこの曲は制作経緯の都合上、もう既にウワモノもベースもできている状態に最後にドラムを入れるという特殊なやり方だったので、ジャムや即興のようなパート、拍数をはっきりさせていないブレイクなどの録音する時や最終的なミックスの時に少し苦労しました。
ゲストミュージシャンの数が豪華だとよく言われましたが、リック・ウェイクマンがヘンリー8世と6人の妻の録音に際して「色々な長所や属性を持ったドラマーがいるから曲ごとに演者を替えるべき」として曲ごとに異なるミュージシャンを呼んだというエピソードから僕もこのやり方に習いました。
本アルバムのテーマですが、一応「アルファベットと数字」です。曲名や歌詞を見てもらえばそりゃそうだという感じだと思うのですが、前作までのような深く込めた意味やコンセプトはありません(笑)。ほぼ語感や言葉遊びだけで作詞をしています。
ここでバラしてしまってはナンセンスですが、そもそもがナンセンスなジョークです。何かしら意味があるんじゃないかと勘ぐらせるような言葉遣いやデザインだけど、その実なにもないというハリボテがちょっと面白くて。
僕がラッキーナンバーと勝手に思っている誕生日の26という数字がたまたまアルファベットの総数と同じだったというだけの思いつきで始めたらこんな感じになっていました。
タイトルは3作目にしてようやくセルフタイトル。普通1stとかでやるネーミングですが、ビートルズも後期になってから初の2枚組で、変わった曲も多いアルバムで"The Beatles"とつけていますね。あえて1stではないところでという面白さと僕なりの自信、そして本作はソロとしては当面の間最後にしようと考えているためある種の最終回のような意味合いもあります。
英語表記の"Tatsu Akiba"とせず"Akiba Tatsu"としたのは後者の方が語感が良いと感じたからですね。たまに芸名と間違われますがこれは僕の本名で(活動名でやった方が後々良いのかなとも時々思う)、この名前の短すぎず長すぎず、一般的すぎず奇をてらいすぎず口に出したくなるような歯切れのよい名前は相当気に入っているのでこの語順で、英語詞でアルファベットがテーマなので今作もアルファベット表記としました。
本作の音楽的特徴ですが、やはりカンタベリーサウンドに大きく接近しています。
確かにカンタベリーには影響も受けたし本作ではサウンド作り、作曲法などで参照とするところは多くありました。しかし僕が一番この作品に関して言いたいのは決してカンタベリーの焼き直しとか、夢の続きとかに終わるものではないということ。ファズオルガンやエレピなど分かりやすい表側を見れば確かにもろカンタベリーではありますが、是非じっくり奥まで聴いてみて下さい。あの時代の彼らとも違うものが根底にあるのが感じられるはずです。
多くの人の興味を引くために「ハットフィールドのような」「ソフト・マシーンThirdのような」という宣伝文句は使いますが、この作品どこを切っても「生の秋葉龍」か「カンタベリー塩をかけた秋葉龍」です。僕はラーメンや鶏肉に入れる柚子胡椒は主張が強すぎて本来の味を損ねてしまうと思うのですが、本作のカンタベリー塩は秋葉龍本来の味を引き立てる程度だと思っています。
プログレの前奏ぐらい前置きが長くなりましたが、各曲の解説に入りたいと思います。
1. Overture, ABC & 123 Song
(ほぼ)唯一のインスト曲にしてアルバムのオープニングナンバー。
この曲は僕の大学時代に書いた曲が元となっています。大学2年(2017年)の時にバンドを組もうとメンバーを探していたのですが良いボーカルとキーボードが見つからず、ベースとドラムは気の合う人を見つけたのでとりあえずギタートリオのインスト曲から始めるかという話になっていました。この頃僕はメインボーカルとしてやる気も自信もなかったのでギター1本とたまにコーラスをやるくらいでした。僕はそれまで鍵盤ありきのプログレ曲しか作ってこなかったので、急ごしらえでギタートリオ曲を書いたのがこの曲でした。急いで作った慣れないフォーマットの曲なので展開が雑だったりフレージングがプレイヤー目線に立っていないものだったりでなかなか合わせられず・・・
そのバンドは結局立ち消えとなったのですがリフやコードはなかなか良い素材だと思っていたのでメモして残しておき、8年越しに目覚めさせました。こうやって昔作ったけど活かす機会がなくメモしておいたものを今になって違うアレンジで蘇らせるというのを僕は結構やっていて、このアルバムでも頻出します。ちなみにTuxguitarというチャチなTAB譜制作ソフトで当時作曲していたのですが、8年前はこんな感じでした。
UKプログレあるあるなsus4とか11thの音なのに意外とプログレしてない新鮮な響きに聞こえたのが好きで、エレピに置き換えたりシンセを加えたりアレンジして録音しました。シンセソロのところはI-→VII♭-→VII(ここでいうとE♭-→D♭-→D)という進行なんですがこれはソフト・マシーンのSlightly All the TimeのBackwardsパートで知った進行です。他の曲でもたまに使います。
間奏のギターソロでは細かい5拍子のリフを裏にギターが自由に弾いていますが、その他にもシンセをや発振系ディレイをサウンドエフェクト的に使ってスペーシーなサウンドを作っています。ここでスリットドラムという楽器を使っていて、70年代当時には無かったかあまり使われていなかったかだと思うんですが瞑想サウンドが良い感じの漂うサイケ感を醸し出していたので録音しています。エンディングのベース後次の曲までの間にも叩いています。
my new gear… pic.twitter.com/P1DYFDpGvF
— Akiba Tatsu (@ArabSobo) 2024年12月23日
曲の最後ではA♭→Dという進行で終わるのですが、これはかなり強引な進行だと思います。AとD♭っていわゆるトライトーンという12音の中でも相容れない2音の組み合わせで西洋古典音楽では禁忌とすらされていました。それをそのままメジャーコードに置き換えても2つのコードはかなり遠い位置関係にあり、何の他のコードも挟まず繋げるのはかなり突拍子もない作曲です。ですが良い感じの盛り上げどころにこれを持ってきて驚かせる感じが気に入り、このアルバムの随所でこの進行を散りばめました。
曲名に関してですが、滅茶苦茶ですね。Overtureつまり序曲とありますが、交響曲では序曲で主題が提示されますね。この曲以降は全く組曲形式にもなってないし、主題の提示もほぼなされていない。強いて言うなら、ブレイクに他の収録曲を切り貼りを流しているだけというふざけた提示の仕方。ちなみに2回目のブレイクの曲は各店舗の特典ボーナストラックに収録した曲の一部分です。
それで、ABC & 123 Songとありますがこれも全くSongではない。インストです。ABC Song(アルファベットの歌)をもじったものです。一応ふざけた会話はイントロ後にあるのですが、"Do you know Cities in People?""What? Titties on Needle?"という自虐的なネタです。
という感じで全く名が体を表していません。
参加ミュージシャンはドラムにTetsu Hattori。唯一のインスト曲なせいかこのアルバムで一番変わった曲だと思っていて、またソロ回しも一番多い曲なのでロックドラムではなくジャズドラムの人を呼んだらマジックが起こるんじゃないかと思い叩いてもらいました。彼とは長い付き合いですがジャズドラマーで、変拍子やEDM、テクノなどの多様なリズムに造詣が深く最近はDJ"outreach"として活動もしているという幅の広さなので、未経験のプログレでも腕を振るってくれるだろうとの期待で声をかけたら、想像を超える味の違いを見せてくれました。
コンピング(スネアなどをリズムパターン中に細かく刻むこと)の細かさ、シンバル類の0から100まで広がるダイナミクスの奥行きは、活かすためのミックスには苦労しましたが曲の立体感を存分に引き上げてくれました。こんなプレイは流石に僕が打ち込みで作ったドラムでは到底出せないし、他のドラマーでもそうそう叩けないでしょう。

2. Sign 2 Turn 4 Another 1
先述の通り元々シングルにしようとしていた曲の1曲。「弾き語りパートとロックなパート両方があり、ライブ映えする曲が作りたい」と思い、分かりやすいヴァース・コーラス部分(A・Bメロとサビのようなもの)を明確にして書きました。
イントロ、間奏、アウトロに使ったD△7→D-7(F)→E7/D→C/D→Dは結構お気に入りです。Dがドローンのように通底しながら、その上で流れる和音は「これはどこに行きたいんだろう・・・」という不安感が立ち込め、そこから最後雲が晴れて道が見えるような進行、「淡い青色感」があってアルバムジャケを連想させませんか?
歌に入ってからもGメジャーキーなのにA7(II7)やF#-7(VII-7)が堂々と出てきて、リディアンの香りが出たり引っ込んだり果たしてこの曲は何のキーなんだろうという曖昧感がずっと漂うのが僕は好きで、最近意図的にこういう作風を取り入れています。
中間部分の15拍子のリフはJeff Beck GroupのLet Me Love Youのギターソロ後のリフにインスピレーションを得て作ったものです。比較するとこんな感じです。
曲の締めはD→D/C→D/B→D/B♭→D/Aというニール・ヤングのThe Needle and the Damage doneやブラインド・フェイスのCan't Find My Way Homeみたいな60年代後半のいかにもな感じの進行で、最後はG6で初期ビートルズ風。
先程紹介したイントロなどのコードではベースがD固定で上が変わっていくのに対し、今度は上がD固定でベースがクリシェしてるという変わり方が構造的に面白いですね。
弾き語り主体のパートや間奏とは対象的に、バンド&歌パートでは結構こういったロックなリフや典型的なコードパターンが多く、アルバムの中でも一番ロックな曲だと思っています。そこでこの曲のドラムをお願いしたのが盟友GamaのドラマーZawa Japonicus。普段からサイケ、ハード、ブルースといったあの年代のロックを愛し聴いているからこそ出るロックのダイナミズムを体感できます。曲のパートによってメリハリをつけたいという曲を作った僕の意図を汲み取ってくれて強く出るとこは強く出て、シンプルでいいとこはシンプルに叩き無駄に音数を増やさない、この曲にとって理想的なドラムでした。Gamaの曲でもクローズドハイハットとキックだけのとこもあれば手数増やしたり大きく叩いたりするところもあるし、そこがやっぱ好きだなぁ。

サックスはトミーさん。henrytennisが元から好きでこんなきらびやかな音で自分のジャズロックな曲を吹いてもらえたらいいなと前々からずっと思っていたので、ゲストの中で唯一直接お話したことがなかったのに引き受けて頂き本当に嬉しい気持ちでいっぱいでした。ファズオルガンとファズギターと3声でハモることなんてそうそうないはずなのに絶妙な音色でぴったり(しかもほぼ一発)合わせて頂き、この曲のただロックなだけじゃない深みがより一層醸し出される素晴らしい演奏をして下さいました。

歌詞の内容はやや具体的なストーリーです。息子に音楽をやらせたい両親と、音楽は嫌で絵画をやりたい息子の喧嘩のような歌詞。ヴァース部分が親が説得を試みるセリフ、コーラス部分がキレ気味の息子の反抗。転調後のコーラスはそれに対してキレた両親のセリフという形になっています。
タイトルは"Sign to Turn for Another One"、つまり「『あなたは絵画をやめて音楽野道に戻るべきという神の啓示だよ』と母さんも父さんも言うけど、そんなの俺じゃなくて他の人に向けた啓示だよ」という息子の思いです。2,4,1はそれぞれto, for, oneを同じ読みの数字に置き換えただけの言葉遊びです。
3. Or O Or I
このアルバムで最初に書いた曲。デモ段階でこれは素晴らしいのが出来たと思って完成直後にバンドメイトのロクロー君に送って聞かせたのを覚えています。その日が僕の試験の結果発表前日だったのでタイトルは仮で"The Day Before"にしていました。
イントロと間奏のコード進行は全く同じなんですが、これも僕が昔作ったけどメモに残しておくに留まった曲から切り取っています。Yessongsでのリック・ウェイクマンのような、鍵盤だけのソロ曲を作ってみたくて書いた曲の一部です。その曲にGenesisのWatcher of the Skiesイントロに影響を受けてメロトロンのみでハーモニーを奏でるパートがあり、当時は今ほどコードに対する理解も深くなく鳴らした時の感覚だけで作っていた割になかなか良い響きで、構成音をオルガンとギターとベースに分配して作り直しました。その部分がこちらの原曲の2:20ぐらい〜3:20ぐらいです。
他にも結構良い素材集まってるな・・・
他の箇所で言うと間奏後やその次の歌の後に使われているリフも、大学時代ファンクセッション中に何気なく思いついたリフが元になっています。↓みたいなのを拍子とキーを変えて使いました。
歌パートはタイトル通りひたすらOとIで韻を踏んでいく曲。言葉遊びで始めたらこうなっていたので、タイトルはYesのAnd You And Iをもじってこのようにしました。テーマを1回し目と2回し目ぐらいの短いスパンで移調するのはデイヴ・スチュワートあるあるの作曲法ですね(この曲冒頭ではA♭メジャー→B♭メジャー)。
間奏のコーラスを歌ってくれたのはM. Hamadaさん。以前もコピバンを一緒に演奏することがあり女性Vo.の曲から叙情的な男性Vo.の曲まで最高に美しい歌声で歌っていたのを忘れられず、この曲でも天にも登るようなハイトーンを披露してくれました。イントロと同じ進行がファズで繰り返され、後ろではRhodesでミニマルな低音のパターンが蠢く背景でこの美声はまるで天界から地上の喧騒を眺め啓示を与えるかのような、優雅にハイになる感覚がたまりません。Geckoの時も感じましたがやはり自分以外の声が入るのは何か曲が孤独から救われるような感じというか、世界が広がる感じがより一層感じられて良いですね。
さっきから啓示とか世界が広がるとかスピッてそうなことをよく口走っていますが、あくまで音像のたとえですからね。
前奏と間奏で同じパートをクリーン→ファズというコントラストで盛り上げを演出する方法はいかにもやっていそうで僕は実は初めてで、ここだけでなく最初の歌パート→最後の歌パートも、第2歌パート→間奏後歌パートでも使っています。この曲はintro→A→B→interlude→B→A→outroという構成ですが、こう考えてみると今作は過去作よりもこのように一般化しやすい構成の曲が多いですね。
そしてエンディングはリズムチェンジしてさあ盛り上がるぞ、という気概を感じさせる作りにしておいていきなりメカニカルなふざけたフレーズを入れて「なんじゃそりゃ!?」みたいな終わらせ方をする、というザッパで何曲か聴いたことあるような終わらせ方によってこの曲を、大仰で形式張ったシンフォに対するアンチテーゼとして完結させました。
ドラムは以前Pink Square Ave.のサポートとして演奏してくれた山岸宏誠。こういった手数が多くてクローズドリムまで細かく刻むようなドラムはやはり彼が適任でした。おかずの入れどころも絶妙、他パートは先に別に録ったものなのにこのグルーヴ感、彼が引く手数多なのもあまりに頷けます。
11/8→13/8→7/8→7/8→8/8みたいなのばかりで覚えるの本当に大変そうなのに簡単な譜面に軽いメモをするだけでたった2時間程度で涼しい顔で叩いていて、本当にこの男何者なんだ・・・と恐ろしくすら思えてしまいました。本人曰くルーツはKing GnuやDOMI & JD Beckで、UKのコピバンや曇ヶ原加入をきっかけに色々プログレを聴くようになったというらしいのに、こんなにも曲に合ったドラムを叩けるのは本当にびっくりです。逆に僕がKing GnuやDOMI & JD Beckを深堀りしていくべきなのかもとも思いました。

その他に小ネタですが、最後の歌パートに戻ってくる前の静かな部分で、アルファベットの歌のI~Oの部分に相当するメロディーをシンセで入れています。探してみて下さい。
4. AWV 1202
僕自信の自認では初めての本当のバラードです。メロウなコード進行で切なげな歌や泣きのギターソロというのは作ったことがありますが、ここまでしっとりしていて歌心を全面に押し出した360度どこから見てもバラードだろうという曲は今までに無かった気がします。
という僕にとっても一つ節目というか、作曲歴を振り返るような曲が出来たのでバッハのBWVのような作品番号をつけてやろうということでBach-Werke-VerzeichnisならぬAkiba-Werke-Verzeichnisとしました。
番号は12月2日生まれのある人からつけました。別にその人との出来事を歌ったわけではないのですが、語感で作詞するうちに自然と別れの歌となっていて、その人とは一度長い期間会えなくなることがあったので拝借しました。
コードとメロディが完成してから、イントロが欲しいなどうしようと考え始めいつものように昔のアイデアメモから良い素材を見つけました。
大学3年(2018年)の頃に今とは違うメンバーでバンドを組んで文化祭のステージで演奏してあまり上手くいかずそのまま空中分解してしまった時の曲に、E♭メジャーの美しいアルペジオを見つけたのでそこから拝借しました。この曲も良いフレーズは沢山あるのに、バンドでライブできるように慌てて作った曲だからまとまりがなかったなぁ・・・
この曲もSign 2 Turn 4 Another 1と同様リディアンのような浮遊感がありますが、1コーラスの中で途中で明確に転調しているのでやや異なると思っています。E♭メジャーキーで最初からD-7(VII-7)が出てきているのですがこれは平行調のメロディックマイナー、つまりCメロディックマイナーにおけるII-7の方が近いと僕は感覚的に思っています。ビートルズのYesterdayにおける2つ目のコードE-7(→A7)と同じですね。
同時にB♭メジャーにおけるIII-7とも捉えられます。途中からB♭△7やサブドミナントマイナーとしてのE♭-7、ドミナントマイナーとしてのF-7が出てくるのでB♭メジャースケールに転調していることは確実なのですがそれまでの部分がE♭ともB♭ともどっちつかずのようにも聞こえるという曖昧さがこのどことな〜く儚げ感を出していると思います。
途中で出てくるA-7も良い味変をしていて、これは僕は最初作っておきながら分かっていなかったのですがCマイナーキーからの短3度下転調(Aマイナー)を部分的にしているんだという解釈が一番しっくりくるかも知れません。
少しコードの話ばかりしすぎました。もうちょっと広く見ていきましょう。
僕はこの曲で初めてベースソロを入れました。いつも通り鍵盤ソロやギターソロもいいけど、この静かな曲ならジャズのバラードでのベースソロのようにメロディックなラインを弾けば味わい深さがより際立つのではと思い、1コーラスの大体半分ぐらいのところまでをベースソロ、途中から歌が戻ってくるという構成にしたところこれがどハマリ。ソロのラインはスキャットで歌ったのを何テイクも繰り返し良いところを書き起こして作りました。
そして最後には1コーラスを使ってフルートソロ、これですよ。
キクラテメンシスAnimaでご一緒させていただいているイマケンさんでございます。Animaで初めてスタジオに入った時にイマケンさんとドラムのシンゴさんははじめましてで曲を合わせ、なんて上手い人達なんだと震え上がりました。その時の掛け合いのフリーソロ中にHatfield & the NorthのMumpsの1節を吹いてきて僕がそれにギターで呼応するということをやった時に「あ、こういう遊び心があってしかもルーツを自分と共有できる、しかもこんな上手い人なら何か吹いてもらいたい」と思いました。するとそれを伝えていないのにイマケンさん側からも「秋葉さんの曲で吹ける曲があったら是非吹きたい」と言っていただいたのでもうこれはすぐさま書こうと思ってこの曲を完成させました。それから実際にスタジオに入ったのは半年後くらいだったのですがソロは僕が書くのではなくイマケンさんにお任せしたところ、色んなテイクやそれを譜面に書き起こしたものを送ってくれてそのどれもが良いし、先程のA-7の解釈もイマケンさんが教えて下さるぐらい楽曲を理解しているし、録音してももう当然毎テイク素晴らしいのにフルーティストとしてのこだわりでより練って下さるし、この先もまた一緒に演奏したいなと思ったのでした。

そしてソロからそのままエンディングに向かっていくんですが最後に6/8を持ってくるのはビートルズのStrawberry Fields ForeverやNow and Thenのような手法ですね。
キーはE♭メジャーなのですが、こちらは1曲目と違いほんの数コード挟んで自然にトライトーンの位置のAのメジャーコードに移動しています。
かと思えばせっかく綺麗に終わったのにもう一度わざとE♭→C→Aと短3度進行することで怪しげな次の曲を予兆させています。
いやあ、この曲多分4年前ぐらいまでは書けなかったと思う。勿論2ndまでの曲もメロや構築美が素晴らしい曲作りではあるけど、この曲の長さで無駄が無いのに「外し」がある。ハーモニーに対する理解が深まったんだと思います。
ドラムは弊バンドPink Square Ave.でお馴染み新井大斗。音源はまだ発表していなかった最初のライブからずっと演奏し続けているのでこの曲を叩き慣れているし、こういった曲の哀愁ある情緒には人一倍敏感なプレイヤーだと思っています。まず普段から話しててリスナーとして深みがある。音楽の聴いている幅も広いし言語化も僕なんかより全然上手い、バンドでのここをこうしたらいいのではというアレンジも積極的に出してくれるしそれも実際にやってみると的を得ていることが多い。彼はうるさい系を叩く方が得意と自身では確か言っていた気がするんですがこの曲の静の部分も動の部分もしっかり描き分けていて、やっぱりこの人とバンドを組んで良かったなとしみじみ思いました。

おまけに宣伝用に作った鍵盤アレンジも置いておきます。
余談ですがこの映像作るの面白かったな。五線譜の裏面に五線を透かして見ながら音符書いたものをスキャンして、あとオブラートに黒油性ペンでコード書いたものを牛乳張ったトレーの中で漂わせる映像録って、背景透過やネガポジ反転で手書きの譜面が動くようにしました。
リリースまであと1週間!
— Akiba Tatsu (@ArabSobo) 2026年1月21日
収録曲“AWV 1202"のRhodes & Hammond Organ ver.をお届け📮 pic.twitter.com/gKjTzkzIek
5. ROFLOLed
アルバム1の怪奇曲。とにかくずっとふざけていて変なんですが実は拍子は一度も変わらず一貫して5拍子です。
これもリフはアイデアメモから引っ張り出したのですが多分相当古い部類で、僕がギターを始めて2年ぐらい、作曲始めたての頃に初期フロイドのような曲を作りたいと思って思いついたリフです。大体12年前。
当時変拍子なんて存在も知らなかったから思いついたフレーズに小節数が合うようになんとか設定をいじってたらなんか5拍子になってたくらいの感覚でした。
こんだけ散々変拍子を使っておきながら言うのもなんですが「変拍子を入れてやろう」という見え透いた意思を感じない、「あっこれ気付かなかったけど変拍子だ」みたいな変拍子の方が僕は好きなんですよね。
このアイデアだと音を伸ばしているのでInterstellar Overdriveのような感じがしませんか?それをある時「このリフ、1音1音切ってリズム隊をタイトにすればゴングっぽくなるんじゃないか」と散歩中に思いついて帰って試してみたらまんまそうなったので、そのまま遊びふざけを10倍にして3分の目まぐるしい展開の中にパーカッションやサックスやナレーションなどを詰め込んで出来たのがこの曲です。ジェネシスが「奇怪骨董音楽箱」ならこの曲は「奇怪痛快おもちゃ箱」ですね。更にこの奇妙なリフは最初の音がA、2音目がE♭とこれもトライトーンを強調させる音並びになっています。
パーカッションではなぜか1回だけ使って持っていたクラベスと先ほどのスリットドラム、あとカウベルを使いました。YouTubeで1人オーケストラ(下記参照)やってたからだろうけど、なんでこんなに自持ちのパーカッション充実してるんだろう?クラベスが欲しい曲があればお申し付け下さい。
パーカッションもとにかく変わった音を出したかったので何か面白いものないかなと思っていた時に、Twitterで水を張ったボウルの中で演奏して音程を変えるというオーケストラでのパフォーマンスを見かけてこれだ!と思い、バケツに張った水の中でカウベルを叩くことにしました。その時の様子はこちら。
本日のレコーディング pic.twitter.com/8KZ4lJEMrf
— Akiba Tatsu (@ArabSobo) 2025年1月24日
アホっぽい音がたまらないです。
また中間部のベースリフは先程の1曲目の原曲の1:25あたりからのリフを使っています。原曲大活躍。
歌詞もアホっぽかったり意味不明な状況だったりなのですが、これは流石にサイケの歌詞です。内容としては、友達の隠れ家にLSDパーティをしに行く途中の電車で退屈だからキメてたらもう着く頃にはガンギマリという小話です。空飛ぶバスが回転していたり雲を編む巨人や歩くシーラカンスがいたりとかなりカオスな空間が主人公には見えています。個人的に結構好きなのが最後の部分の歌詞で、"Butchers of the god said that suck it after lick it with mushrooms of yours"という箇所です。マジックマッシュルームのことを古代アステカ王国では服用すると神と交信できる「神の肉」と言っていたそうで、つまりButchers of the godは売人ですね。「神の肉屋が言うに『自分のマッシュルームと一緒に舐めた後に吸うと良いよ』」ということですが、後はここでは差し控えるのでご想像におまかせします。
曲のタイトルはまず「ナンセンスな話」という意味の"Fol de Rol"のアナグラムで、かつ"ROFLOL"(Rolling On the Floor Laughing Out Loud)つまり床を転げ回るほど爆笑というLOLやLMAOのようなネットスラングのed受動態つまり爆笑されるという意味ですね。
この曲は本作で一番ゲストが多く、まずは先程Or O Or Iで歌ってくれたM.Hamadaさん。先程の美しい歌声とは180度違う儀式のようなコーラス、魔女のような邪悪な笑い声、呪文を唱えるようなナレーションと見事に演じ分けてくれました。2曲とも1日で録ったのですが先程のOr O Or Iからの変わりように録音してる僕がちょっとビビってしまいました。笑い声とか録ってる時、スタジオの外にいたスタッフの人は「なんだこいつら・・・」って思ってたかも知れません。
そして作曲は引き続きトミーさん。こちらも先程のSign 2 Turn 4 Another 1の流麗なフレーズとは程遠い、リフ裏のコミカルなフレーズや間奏の自由に吹き荒れる合いの手を吹いていただきました。僕の知っているhenrytennisでは全く聴いたことのないようなプレイだったのですが非常に愉快なサックスを目の前で聴きながら収録できて本当に最高の気分でした。レコーディングに際して聴かない方が吹きやすいかなと思い、先に取っていたHamadaさんの笑い声をミュートにして録音したのですが、後で合わせて聴いてみるとHamadaさんの笑い声のすぐ後にサックスも腹を抱えて笑っているかのような音を出していて、この曲が引き寄せてくれたマジックと言うか面白い化学反応が起きていて思わずニヤリとしてしまいます。
そしてドラム、この曲にはもうヨシダシンゴさんしかいないでしょうと思ってお願いしました。キクラAnimaで演奏している時、結構キクラの曲自体はメロディや展開などが端正な曲が多いのですがその中で遊びを含ませられるところは毎回違う引き出しを持ってくるし、しかもちょっとのコードやメロディミスにも気づくほど周りの音を聴いているし、こんなにテクニックもグルーヴ感も長けていながらそれを押していくだけではない、曲の良さを引き立てるプレイができる人は他にいないと感じさせられていました。4月の金属恵比須公演楽しみだな。
間奏前のテンポダウンする展開は「スタジオでこの曲をジャム中に急にドラムとベース以外が抜ける」という架空のハプニングを想定した演出ですがそれもまるで本当にそう聞こえるようだし、リズムパターンの変え方や音の出し方も全く僕が想像できないようなところから持ってこられて、まるで宇宙からやってきた曲のような気すらしてきました。

余談ですがTetsu Hattori、Zawa Japonicusとヨシダシンゴさんは同日に抑えたスタジオで3曲連続で録音し、他の曲録音中の間2人はスタジオ内で見て待っていただいていました。曲の違いもありますが同じ楽器を叩いているはずなのに3人とも全く別の楽器を演奏しているかのようだったし、お3方もそれを感じていたらしく自分と違うバックグラウンドのプレイを聴けて感銘を受けたとも言っていたほどでした。
6. I Ain't AI
ここからは最後まで5曲まとめて1つの組曲です。アルバムの前半5曲もメドレー形式で繋がっていますが、これは元々5曲独立していたのを編曲してシームレスにしたもの、後半は元々1曲として作られたものです。ドラムは通しで山岸君に叩いてもらっています。
語感重視のため組曲のテーマは我ながら割と陳腐で「高度に発達して人間に擬態するAIと人間の戦い」です。愛する人々に、自分がAIに入れ替われていると疑われて「俺はAIなんかじゃない!」と叫ぶことしかできない世の中になり、西暦2389年には全ての人間の遺伝情報(DNAの塩基配列ATGC)がAIに読み取られて疑似人間を生成できるようになり、やがて愛という概念すら数値化されてしまい、人間はAIにとってのBackGround Noiseとして認識されるほどになってしまうというお話。
1曲目のタイトルは僕自身の標語でもあり、絶対創作の本筋にAIなんて使ってやらないし、また僕の曲のような引っかかるところある、綺麗さ100%ではない、時には粗のある音楽をAIが作れるはずがないと信じています。俺はAIなんかじゃない。
内容はB級SF小説のようですが作詞自体は結構気に入っていて歌冒頭の"Love can't be spelled as AI, you need no fears"は「愛は"AI"なんて綴りはしないよ」と言う意味でかつ"AI, U(you) E(need) O(no)"と日本語を交えた皮肉になっている言葉遊びです。また2コーラス目では"Love can't be counted even each needs something gold"となっていますが"each need something gold"はいち、に、さん、し、ごと聞こえるような英文になっています。
前半5曲ぶっ続けメドレーで少し疲れた人のために冒頭に少しだけほぼ無音の耳休め時間を設けておきましたが、極小音量でシークレットトラックとしてアルファベットの歌の替え歌を用意しています。もしよければ本編の始まりに気をつけて音量を上げて聴いてみて下さい。
この組曲も原型は相当古く、僕がプログレを書き始めて2曲目にあたる曲が元になっています。本当に曲のファイル名も当時"Progressive 2"にしていました。"Progressive 1"はトライトーン全開の気持ち悪いリフをクリムゾンっぽい変拍子で回していく曲だったかな。I Ain't AIとATGCのパートは相当原曲の形が残っていますがつなぎの部分や12-15-22-05以降は新たに書き直したパートになっています。書き始めたときはELPとYesにお熱で、ATGCとのつなぎの2389の部分は元々はStarship Trooperよろしくカントリー調の歌パートでした。(3:38あたりから)
Jethro Tullにもハマり始めた時期で、歌以外にフルートも当初は入れていました。
カントリーパートは場違いでしたがそれはそれでいい曲だったのでYouTube用のBGMとして昨年生まれ変わりました↓
B,G,F#の3音のシンプルなリフは当時からありましたが、その前のヴァイオリンのリフは今作でリメイクする時に新たに付け加えたものです。重厚さを加えるためにちょっと触ったことだけあるコントラバスを繰り返し録音してなんとか入れることが出来ました。
変拍子も好きなんですがこういう3小節刻みとか5小節刻みのフレーズもトリッキーさが出て好きです。そこからはしばらく原曲通りで、コーラス部分のメロディは上の音源からも手を加えました。D→E/Dに見られるオンコードを使った進行はこれから何か始まるぞというワクワク感が好きでよく使っています。僕はマリオギャラクシーのウィンドガーデンやELPのMemoirs of an Officer and a Gentlemanで学びました。
またコーラスの2回し目はD,E/DからA♭に移動しています。これもDとA♭がトライトーンの位置ですね。ベースラインを聴いてもらえば1曲目で説明したあの箇所と同じ異質な感じを覚えると思います。ここでのA♭はFメジャーにおけるIII♭と考えるのが自然だと思います。そこからB♭→C→FとFメジャーのIV→V→Iときて、FをGメジャーキーのVII♭と見立ててFからGに移動、これで元のGメジャーキーに戻ります。
先日作ったRhodes弾き語りだとより分かりやすいかも知れません。
リリースまであと2週間!
— Akiba Tatsu (@ArabSobo) 2026年1月14日
収録曲"I Ain't AI"のエレピ弾き語り演奏動画をお届け📮 pic.twitter.com/ctx9k4c2ea
先程同様この曲を書いた頃はまだコードの機能などの知識が浅く、そんな時に雑誌かネットで「キース・エマーソンのdimなどをつかったジャジーなプレイングが光る」みたいな文章を見た高校2年生の僕は「ジャズ要素も含んだプログレを作るにはdimコードとかいうのを使うと良いのか!」と思いネットでdimコードの音を調べて無理やり入れたのですが、こんな経緯の割に良い緊張感を演出していて気に入っています。
今思えば作曲する人間の姿勢としてあまりにシャバすぎるし、参照元も別にdimが特別ジャジーな響きなわけでもないしツッコミどころが多いですがこれは怪我の功名というやつですね。
7. 2389
先行シングル及び自主制作MVにも取り上げた2分半の短い曲です。一応スキャットは一部ありますがほぼほぼインストと言って差し支えないでしょう。
MV制作話はのちほど。
僕の楽曲で今までで一番ミニマル・ミュージック的要素を取り入れた楽曲です。ただミニマルと言ってもずっと同じのを繰り返しているだけでなく、フレーズのうちの1音や2音程度がちょっとずつ変わっていってそれに応じてコードや主旋律もちょっとずつ変わり、やがてはキーもメロディーも大きく変わっているという手法。
ミニマルへの興味はここ2年ぐらいでぐっと湧いてきていて以前は苦手だったクラウト・ロックをまだ浅いですがそこそこ聴くようになりました。単純な繰り返しはOr O Or Iの間奏でも取り入れているし、徐々に変化する手法もバンドの方の楽曲で取り入れたりはしていますがこの曲はそれをもっと無機質な本来のミニマル的サウンドに近い形で表現しています。
機械的なサウンドなのにそれに乗ってくるのが身体性の高い楽器のギターであったり後半は絡み合う2つのメロディー(ファズギターとファズオルガン)だったりという組み合わせ。ハーモニーや複雑な拍子のパターンは洗練されているのにトーンやキメはB級ハードロックや東欧ジャズロックのような野暮ったさ・胡散臭さ。それらのアンビバレンスを見事に調和させたこの曲こそカンタベリーという枠組みを超えた新しい音楽として聴いてもらいたい曲です。
1コーラス目と2コーラス目でクリーンからファズに変わる盛り上げ方は先程Or O Or Iでもやったのと同じ手法です。クリーンギターの開放弦を活かしたコード弾きはやはりギターの専売特許ですね。この曲はコードは勿論そうなんですがボイシングやオルガンの音の外し方にもこだわりました。
またエレピにはこの曲と12-15-22-05ではHohnerのPianetを使っています。知らない方のために説明するとエレピの中でも古いタイプで、ビートルズやソフト・マシーン、ジェネシス辺りが有名ですね。Rhodesはポロンポロンと柔らかい音がしますがPianetはより固くてちょっと鼻が詰まったような音がします。裏でずっと2音を淡々と弾いているのはこいつで、ミニマルパターンにはこの音がとてもマッチすると思います。実はファズをかましてもなかなか良い音がして、これはI Ain't AIのイントロにも使っています。
8. ATGC
この曲はI Ain't AI以上に原曲の面影が強く残っています。最初の歌裏のクリーンギターはレスリーに通したトラックとフェイザーをかけたトラックを同時に鳴らしています。元々はアコギでした。
原曲との大きな違いと言えばやはり塚田円さんによるシンセサイザーでしょう。
原曲ではシンセはなくこの曲の最初のアレンジ段階では無かったのですが歌とコードがシンプルだからかどうも味気なく感じてしまい、シンセを入れてみたところ結構曲とマッチはしました。しかし自分のシンセ経験の少なさから良い音作りと、歌を邪魔しないフレージングがどうも納得いかなかったところに、偶然Roundaboutで同席した塚田さんに鍵盤が必要だったら言ってねとお声がけ頂きこれはチャンスかも知れないと思い音作りからフレーズ考案までお願いしました。
僕はシンセに関しては多分楽器の中で一番よく分かっておらず、ノコギリ波?オシレーター?エンベロープ?助けて〜〜〜という感じなのでお願いするときも「丸っこい感じを残しつつ電子っぽいクセを足したような音」という具体性0の注文をしたのにも関わらず願った通りの音を出してくれて本当に感謝です・・・。
フレージングは歌メロや後ろのバッキングギターのハモリも駆使してメインの歌を食いすぎず、されど第2の旋律としてしっかり主張するという自然でかつ押し引きが完璧なラインで、自分が書いたのではなくまるで最初からシンセ込みで僕以外の誰かによって作られたものなのかと錯覚するほどの名演でした。組曲の中盤に当たるここで中だるみしてしまうと一気に冗長なものとしての印象がつきそうなところ、しっかりとスパイスでピリッとこの曲を引き締めて下さいました。

この曲はところどころに当時の僕の中でのブームが残っている気がします。弾き語りから全楽器戻ってきた後のギターはスティーヴ・ハウの歯切れの良い中高音域でのバッキング、オルガンとギターのハモリパートのカール・パーマーばりのスネア連打、その後の3連符のコテコテのクラシカルなフレーズといった洗練されてない胡散臭さが2389に続いていい味を出していると思います。
そして組曲冒頭のリフに一度戻りますが、あの全楽器ユニゾンで重々しいリフにクリーンギターの組み合わせだったのが、今度はファズギター複数トラックの猛獣のようなリフに気の抜けたような歌という組み合わせに変わります。
どうも僕は逆張り精神なのか、単純にすべての楽器が同じ系統のトーンでユニゾンするという古典的なヘヴィメタル的手段を自分でやるのは飽きてしまうようで、何か肩透かしを食らわすようなズレが気持ちいい程度に入っているのを好む傾向にある気がします。
9. 12-15-22-05
組曲エンディングに向けた最後の嵐の前の静けさに当たる曲。メロウな歌心があるけどクサみはなくあっさりしていて、歌とPianet主体で聴かせる曲のためこれまたコード進行とボイシングも凝ったものになっています。
アコースティック2本とシンプルな編成にしたバージョンも作ったので、こちらでも是非歌心を味わってみて下さい。
リリースまであと🔟日!
— Akiba Tatsu (@ArabSobo) 2026年1月18日
収録曲“12-15-22-05"のアコースティックver.をお届け📮 pic.twitter.com/Tu6w9extqF
ヴァースに入るとまずキーGでGのコードから始まるんですが、その次にいきなりG#-7という訳の分からないコードが入ってきます。一応平行調Eマイナーの同主調EメジャーキーにおけるIII-7ということにできるんですが短めに挟むでもなく序盤にちゃんと小節数使って入れているのがハッとさせられるポイントだと思います(コーラスではCマイナーキーに転調してG-→G#という進行に変わるのも面白いポイントです)。
他には2コーラス目の終わりは1コーラス目から変えて次のパートに繋いでいます。ここではF-→E♭→E♭-→D♭→D♭-→Bという進行をしていますが2個ずつ区切ると同じ進行を全音ずつ下げて繋げている構図になっています。これはツェッペリンのThe Rain Songの終わりのB-7→C△7→D-7→D-7→E♭△7→F-7や、シンエヴァのThis Is A Dream, Beyond Beliefという曲の中間部のD♭→A♭→B→F#→A→Eという進行から着想を得ました。1〜2小節のコード2,3個のパターンをどんどん移調していくやり方で、映画音楽のような優雅なサウンドを僕は感じます。そしてその次はE-7→D-7→E♭△7という、1曲目でも紹介したI-→VII♭-→VIIのパターンですね。
その後は冒頭の歌メロを半音ずつ上がる進行で盛り上げて、お決まりのトライトーン進行(D→A♭)で2回突き落としてこの曲の終わりです。
ワウオルガンの鳴っている部分(E-7→D-7→E♭△7)はジャジーな響きが欲しくてコントラバスを指でなんとか録音しました。3弦にわたるアルペジオなのでなれない人間にとっては音程を合わせるのも右手をタイミングよく弾くのも非常に苦労して、録り終えてRoundaboutに飲みに行くときには既に指は水ぶくれだらけでした。
タイトルはLOVEのアルファベットを数字に置き換えたものです(A→1,B→2,...,Z→26)。
このように人間の言語も数字に置き換えられてしまうという内容のパートで、最後にはAIに「これでもう詞を書いても"G"と"K"しか韻を踏めないね」と嘲笑われてしまいます(Gは7、Kは11でsevenとeleven)。
10. BGN 26
組曲そしてアルバムのエンディングを飾る曲。冒頭のリフをノイジーなファズサウンドと激しく手数の多いドラムでまくし立てていきます。
オルガンソロとギターソロの部分の進行は12-15-22-05の半音ずつ上がる進行をそのまま使っています。思えばこのアルバムでギターソロって1曲目のフリーなソロとこの曲の10秒ぐらいだけだな・・・。僕はギタリストというより総合的な音楽家で、楽器のメインがたまたまギターだったと言う方が正しい気がします。ギターソロは確かに好きだけど、合う曲でここぞというときだけ弾くのが性に合ってます。
ノイズに飲み込まれながらも冒頭のリフに戻り、クラシックの交響曲のエンディングのような9拍子が始まります。この部分も本作制作前の原曲段階からあるパートでしたが、そこから再びトライトーン進行(D→A♭)を挟んでI Ain't AIのリプリーズに戻る展開は本作制作段階で書き直しました。
終盤の地鳴りのような低音と、2389と同じフィナーレのフレーズも塚田さんにシンセをお願いしました。ELPのTarkusのような緊張感を残したまま荘厳に締めくくる最高の音作りをありがとうございました。
そしてこんな長い17分の組曲を叩き通してくれた山岸君。ドラムがいないところなどで分けて録音したものの、Or O Or I以上に繰り返しが少なく展開も変わっていくこの曲でどの場面を聴いても違う表情の音色を出していてフィルやパターンも彼独自のものですが曲に見事にマッチしている。彼の名は既にかなり広まってきているけど、プログレに限らずあらゆる方面で凄腕ドラマーとして羽ばたいて行くことは明らかでしょう。参加してくれて本当にありがとう。
最後はI Ain't AIのメロディと共に歌が戻ってきますが、これは人間やAIを超越した上位存在が、人間がAIに飲み込まれた世界を粉砕した後示した「愛こそが人を人たらしめる。誰しもが自分の世界を1つずつ持っていてそれらは他の人に侵されないし侵せない、それぞれ唯一無二のものなのだから」という言葉です。
I Ain't AIでは"Love can't be〜"だったのに最後には"Love can be〜"となっているところ、そしてこのアルバムのコンセプトがあって最後の単語が"one"であることは作詞上の芸術点が高いなと我ながら思います。
この曲は冒頭でも話した通りBackGround Noiseの略です。26はこのアルバムのコンセプトでもあるけれど、26(=Z)という最後を表す数字であり僕にとって大事な番号でもあります。このアルバムが僕のソロ活動における現在の最高到達点であり、僕にとっても世界にとってもターニングポイントとなるような金字塔であるべきという思いから数字を付け加えました。
11. その他
I.その他作業
ミキシングはすべて私が行い、マスタリングはピースミュージックの中村宗一郎さんに行っていただきました。GeckoのEPの時も中村さんで、やはりマスタリングはアマチュアの自分じゃ到底できない領域だなと改めて思います。
自分では出来なくてもこういうプロの方の現場を一度見学させて頂けたら今後の創作の糧に必ずなるだろうなとも感じます。
II.ジャケットデザイン
ジャケットデザイン・その他CDインナーデザイン・MV制作はすべて1人で行いました。


1枚目"Blue"が表ジャケの原画、2枚目Blue IIがブックレットの裏です。どちらも青数種類と白のみで描いたアクリル画です。
自分は美術に関してそこまで造詣が深いわけではないのですが最近興味が一層湧いてきて時々美術館に行くようになったのですが、特にその中でも印象派絵画に興味を持っています。
きっかけとしては「カンタベリーやそれと同じ雰囲気があると言われる現代のポップス(Thundercatやceroすらそういう声を聞いたことがあります)に共通しているのが印象派的アプローチなのではないか」と、今作で叩いてくれた弊バンドの新井君が言っていたことでした。機能和声を脱却した、解決感や調性感が薄くぼやっとした雰囲気の表現を重視している点がカンタベリーやこれらの音楽に通底しているという考えです。実際にこの考えを聞いて以降作曲スタンスにもこれを取り入れて、本作ではAWV 1202や2389などに見られる「何のキーなんだこれ・・・?」と感じさせながらも着実に変化しているという作風に影響が見られると思います。
そして印象主義は世間一般でより広く知られているように、美術でも大きなムーヴメントでもありました。新印象派や後期印象派などとの違いもありますがモネ、ルノワールからゴッホに至るまで様々な作風が展開されました。僕はその中で調性感の薄さに紐づけて「特定の被写体を描いているようで描いていない」「Aにも見えるしBにも見える」という音楽性に近い絵を描けないかと模索しました。
また青の絵画にしようと思った理由は2つあります。1つは僕の1st〜3rdは最高の3部作であり1stは緑ベース、2ndは赤ベースのジャケットということに鑑みて3rdは青ベースが収まりが良さそうに思ったこと。もう1つはこのアルバムでも特にお気に入りの数曲の内Or O Or IではSeasideやSkysideと歌っており、AWV 1202は飛行機で空を渡って海の向こうに旅立っていく別れの歌であり、2389は音像がまるで水中にゆらめきながらカラフルな岩礁の間を縫っていくように聴こえたこと。
これらをもって「青ベースで、海にも見上げた空にも見下ろした霊峰にも見える絵」を意識し描いたのが表ジャケのBlueです。そしてそれに続き「同じく青ベースで、空を見上げた月にも冠雪する霊峰を真上から見下ろしたようにも見える絵」としてBlue IIを描きました。絵画を習ったことはなく我流で気が向いた時に描く程度でしたが、私個人としてはどちらも非常に気に入っております。

裏ジャケはこちら。中央の写真は僕が世界各地の砂浜で集めた砂に各曲名のラベルを貼ったものと青い紅茶です。実際はただの青食紅を混ぜた水だけど。真ん中の卵はおふざけ。僕が入っています。
下部のピンク色のノブは僕のギターのもので、表ジャケの僕が持っている針先の部分がちょうどこのノブに当たるようになっています。1曲目の"Titties on Needle"ってね。
右下ロゴは以前作ったサイケロゴ、左下ロゴは裏ジャケのボツ案です。ポップアート調にしようとしたらポップすぎた。
隠しメッセージも入っているのでよかったら現物で探してみて下さい。
III. MV制作
続いては2389のMV制作に関して。
先述の通り2389の音像はカラフルな水中というイメージが僕の中であり、それを具現化するに当たって今回は1人で映像まで凝って作ってみたいという思いがあり色々調べていたところフルイドアート(Fluid Art)というのを見つけました。他の方の作品をここに勝手に載せるのは問題がありそうなので是非Googleで調べてみて下さい。色が混ざり合わないように手を施した複数色の絵の具をコップに混ぜ、それをキャンバスなどにひっくり返し偶然的に発生する模様や色の組み合わせを楽しむアートです。
これを応用して、色どうしがぶつかっていく様を撮影すれば面白い画が撮れるのではないかと思い1人で撮影しました。


色を混ぜ合わせ、事前に敷いておいた糸を動かしたり外からストローで風を送ったりしている様子を真上から20分ほどカメラで撮影しました。
加えて、空の雲の様子をタイムラプスで撮影したもの、牛乳に青の食紅を混ぜる様子を録ったものなどの細かいマテリアルを重ねたり色彩を調整したりしてこのMVは完成しました。こんな事を言ってはなんですが相当コストは低いのに、曲の不気味な美しさを表現したイカす映像が出来たと思います。動画編集のアルバイトやってて良かった。
またMVの最後にうっすら写っている、あと表ジャケの僕が持っている幾何学模様はこれです。

僕が中学3年、つまり15年前に美術の時間に作った作品なんですが結構気に入っていて部屋に飾っているんですよね。ハサミで切ると粘着質の面が現れるシート(黒い枠)に色の剥がれるセロハンで色付して、クシャクシャにしたアルミホイルの上に重ねるだけ。
適当に定規とコンパスで作っただけなのになんか上手くいって、自慢ですが賞をもらって文化祭で飾ってもらいました。メダルも取ってあります。
これが表ジャケの絵と結構対象的なコンセプトかなと思って敢えて載せました。絵画は絵の具のみでぼやっとした近現代の絵なのに対してこちらは現代の身近な技術を使って幾何学的な中世以前の作風という違いです。そして持っている僕の後ろ姿はアンディ・ウォーホルっぽい加工。タイトルロゴもしっかり数字で計算して作られています。こういった様々な背景や手法を1つに盛り込んで意味ありげに調和させる、これも僕の作風に近いかなと思っています。
IV. Tri 2 (An)nouce
【Tri 2 (An)nounce】
— Akiba Tatsu (@ArabSobo) 2025年12月9日
明後日12/11の午後8時に、重要なお知らせを致します。
乞うご期待!
I have an announcement to make, so please don't miss it, be awake! pic.twitter.com/Y0vBD7rxYb
告知がありますよのお知らせをツイートしていました。ご存じない方もいらっしゃるかも知れません。
告知があるから見逃さず聴いていてねという軽いポップな弾き語り曲を書きました。
敢えて歌詞全部は載せません。どこかに書いてあるので探してみて下さい。
コンセプトがアルファベットと数字なので、"Try to announce"をもじってTri(3),to(2),An(1)としました。
可愛い末っ子のような曲なので一応単体音源も置いておきますね。
V. ボーナストラック
ディスクユニオンとワールド・ディスク、ガーデン・シェッドで初回ご購入いただいた方々には特典CDが付属しております。曲目は
01 Dedicated to Q, But 2 Weren't Listening
02 Bardling II
03 1974
ワールド・ディスク
01 Dedicated to Q, But 2 Weren't Listening
02 Bardling II
03 AWV 1202 (Solo Ver.)
ガーデン・シェッド
01 Dedicated to Q, But 2 Weren't Listening
02 Bardling II
03 AWV 1202 (Rhodes & Organ Ver.)
04 I Ain't AI (Solo Ver.)
05 12-15-22-05 (Acoustic Ver.)
です。
ガーデン・シェッド盤の03-05はこの記事で紹介した、Twitter告知用アレンジ集ですね。その他の曲も一応少しずつ解説していきます。
まず"Dedicated to Q, But 2 Weren't Listening"。タイトルは気づく方は気づくと思うのですがソフト・マシーンの"Dedicated to You, But You Weren't Listening"、マッチング・モールの"Dedicated to Hugh, But You Weren't Listening"、そしてAmoeba Splitの"Dedicated to Us, But We Weren't Listening"の流れのオマージュです(これらとカバー以外にもこの系譜あったら教えて下さい。)。
この曲は楽器もPCもないところで全て作詞作曲しました(細かいアレンジは除く)。僕は基本毎日散歩をしていて、近所の穏やかな田園風景が広がる場所でこのアルバムの歌詞の大半を書いたのですが、それなら曲自体も簡単なものならできるのではないかと思い2日2回の散歩で試してみたら期待以上に面白いものが出来上がったのでそのまま一気に作り上げました。
モールス信号や逆再生、ドローンを使ったり、家でのインプロヴィゼーションを切り抜いたりとサイケの時代のありがちなエフェクトや編集をデジタルで再現しています。先程ちらっと話しましたが本編のOverture, ABC & 123 Songのブレイク2回目でこの曲の断片が登場します。
"Bardling II"はこれも相当古い曲で10年ほど前の曲だと思います。元々はギターがアコースティックで、間奏のピアノのフレーズはフルートでした。Akiba Tatsu Projectのときにも演奏したし僕がソロでアコギ弾き語りのライブをするときは必ずレパートリーに入れているのにどうも今までアルバムに入れるタイミングがなかったので今回、本編のサウンドに合わせてクリーンのエレキとピアノに替えて"II"としました。
書いた当初は作詞能力も英語力もまだ幼稚な高校生で"Minstrels and the Piper(Under the Moonlight)"といういかにもなクサすぎるタイトルで歌詞も譜割りや韻が強引で軽薄でした。それを数年前書き直してここ数年は演奏していました。"Bardling"というのは下手な詩人を指す言葉だそうで、歌詞もタイトルも昔の自分を揶揄するものとなっております。曲調は冷たい風を感じるトラッドフォークで、曲自体を作るセンスは昔もなかなか良いなと思っております。
"1974"は、裏でコードが周回しながらギターソロを長くとる曲が本編ではなかったので久々にそういうのがやりたいなと思いソロが合うように作り始めた曲です。ギターソロでは繰り返しのコードなので前半は1回も同じパターンが出てこないような進行にし、1コーラスしか演奏しないようにしています。結構好きなコード進行だけどこういう思い切りの良さも大事。本編や最近の僕の試みとして脱ペンタトニックを目指しているのですがここではガッツリ分かりやすいペンタでやっています。やっぱりここぞという時でのペンタは光るものがありますね。
"AWV 1202 (Solo Ver.)"は本編のAWV 1202の1人弾き語りバージョンです。普段ソロで弾き語りライブをするときはこの曲をレパートリーに入れていてこのような形式で演奏しています。ベースソロはスキャットに、フルートソロはカットしてそのままエンディングに行くというシンプルで短めの構成。どことない哀愁がふわっと包み込むような感じがこれとか鍵盤アレンジの構成でも感じ取れるのは、やはり元となる曲そのものの出来が最高級だということでしょう(笑)。
僕は結構作曲時から編曲ありきだったり、インストパートが曲の根幹に関わってくるような曲が多いので今までなんとかそういう部分はソロギターで補ったりしながらソロライブのレパートリーを増やしてきたのですが、こういう歌の素材の良さ勝負ができる曲をもっとこれから書いていきたいなと思っています。
12. 最後に
さて、とんでもなく長い解説記事になりましたがお楽しみ頂けたでしょうか。お読みいただいた方々、ありがとうございます。
これは今一度はっきりと言いたいことなのでもう一度言います。
このアルバムはカンタベリーの焼き直しでは絶対にありません。
楽曲解説で分かりやすい影響元でカンタベリーなどをあげましたし、音作りでは彼らの時代の機材から出るトーンを愛しているので勿論共通点はあるしカンタベリー寄りのサウンドと言ってもいいでしょう。
しかしここに説明しきれないようなコード、メロディ、グルーヴ、構成などなど多方面からの影響やそこから僕が自分で研究してきたものを昇華させて高次元のものに持っていった作品だと胸を張って言えます。なんなら、プログレという枠に収めておくのももったいないとすら言えます。枠に凝り固まらず、様式美も捨ててただただ美を追求した秋葉龍独自のロックです。
これからもより自由な音楽へ羽ばたいて行くつもりですので、私のソロ以外の活動においても暖かく見守りいただけると幸いです。
またこのアルバムリリースに尽力して下さったMJさん、祖父尼さん、インセンスミュージックワークスさん。直接伝えさせて頂きましたがこの場でも改めて感謝の意を評したいと思います。本当にありがとうございました。
そしてこの私めの小さな企画であった1stアルバムからここまで大きくなった活動に耳を傾けてくださっているリスナーの皆様方も本当にありがとうございます。おかげさまでリリース日にディスクユニオンのオンラインチャートで4位にランクイン出来ました。
2026/1/28(水)
— ディスクユニオン プログレッシヴ・ロック (@pro_uni) 2026年1月28日
今週のプログレ・ヒットチャート
■オンライン
1. ユニヴェルゼロ
2. エクスプロール
3. 横田ユウ
4. 秋葉龍
5. マッシモヴェッセラ
■新宿プログレ館
1. キングクリムゾン
2. ピンクフロイド
3. エクスプロール
4. ピンクフロイド
5. マッシモヴェッセラhttps://t.co/Wng1ZTH5VX pic.twitter.com/2LkQwDRfqU
ここには書ききれないメロディの転用や伏線なども楽曲にはたくさんあります。またCD版には歌詞も全て書いてありますしデザインにも色んな遊び心を入れているので、お買い上げいただいたら是非その点もお楽しみいただければと思います。
それでは!
今記事書いてて24,000字超えたんですけど、僕が学部の時書いたカスみたいな6,000字の卒論の4倍でワロタ
焼酎を飲もうよ
お久しぶりです。コロナ禍×勉強の生活というのはとにかく今までの生活に比べて活動の幅が狭まるもので、何か長々と書くに値する考え事や出来事がそうそう起こらないので(あっても全部作った音楽でばかり示そうとするので)せっかく開設したこのブログも1年以上間を空けてしまいました。
この間に変化したことといえば僕が念願の、自分たちの曲を演奏するバンドでの活動を始めたことと焼酎への愛を一段と深めたことです。前者に関してはもう、各種SNSで常日頃から宣伝しているのでセルフRTにはもう見飽きたという方も多いと思いますので今日は焼酎に関して語っていきたいと思います。
少し前置きを話させてください。
もともと僕は焼酎が好きな親父と焼酎を飲んでいてもアルコール感が強くてどうも苦手だったのですがその場にいる人のおすすめを飲んでいるうちに大学4年ころだったか、いつのまにか芋焼酎が好きになっていました。良さがわからなかった名盤を我慢して聴いていたら大好きなアルバムになるのと同じ。以降旅先でご当地焼酎を買ってはその晩に楽しむのが醍醐味だったのですが今から1年半ほど前、何がきっかけだったのか覚えていないのですが普段ほとんど飲まない飲んでも外食時か鍋のときビールを1杯ほどだった我が家で突如晩酌文化が始まりました。
しばらくはネットで僕と父が飲んだことのあるものの中で良かったものを注文していました。しかし去年の9月ころから僕は健康のために1日8,000歩歩く生活を始め、数週間後に最寄り駅の近くにぽつんといい雰囲気の酒屋を見つけました。これはと思い(親の金で)良さそうな焼酎を買ってみたところどれも非常に美味く、それ以降その店で買ったり他の酒屋を近所で探したりあるいはネットや本で美味そうなものを見つけて購入したり、僕の焼酎ライフが始まりました。その中で本当に良かったと思うものをいくつか紹介していこうと思います。基本僕はロックたまにお湯割りで飲むので他の飲み方のおすすめなどはわからないのと、ちょくちょくうんちくが間違ってたりするかもしれないのはすみません。あと麦は基本好みでないので悪しからず。1~6は一升瓶もあります。
1.大自然林
2.一刻者 白(限定品)
3.八重桜
4.青潮
5.赤山猪
6.農家の嫁
7.八千代伝 Mahler
8.栗極
1.大自然林(シロユタカ/白麹)
この1本で芋焼酎に目覚めたと言えるほど思い入れのある1本です。これは先程言ったまだ僕と父が飲んだことのあるものをネット注文していたときに父が持ってきたものなのですが未だにこれが芋の中では個人的1位かもしれない。一刻者や三岳といった王道の昔からある芋焼酎はもちろん好きなのですがややアルコール感が強く感じるというか、焼酎が苦手な人にとっては苦手なんだろうなという風味がしますが大自然林にはそれがなく、それでいて芳醇な芋の香りも芋焼酎らしい深みも味わえるという一品。いわゆるフルーティー系ですがどっしりしていて飲みごたえがあります。口に入れた瞬間から後味までじんわりと味が広がっていく感じがたまりません。つい先日飲んだ「山雀」とおなじシロユタカという本当に真っ白な芋が使われており、山雀を開栓して嗅いだ瞬間に大自然林の香りを思い出しました。この2本には他の芋にはない独特な香りがするので今後シロユタカ使用の焼酎にはもっと注目していきたい。同じ酒造で黒麹仕込みの「水ノ森」も甲乙つけがたいほど美味しかったのでおすすめです。
2.一刻者 白(ジョイホワイト/白芋麹)
「ここのスーパー結構焼酎あるよ」地元の友人に教えてもらって早速行ってたまたま手に取って当たりだった1本。一刻者といえば麹まで芋の完全芋焼酎で黄金千貫の通常カラー、紅芋の赤、紫芋の紫などが有名ですがこの色もジョイホワイトという芋も初めてでした。先程1で言った他の一刻者にありがちなアルコール感や飲みにくさは弱くにスッキリ飲みやすい上に、芋らしい芋の香りがこれでもかと言うほど押し寄せてくる。普通焼酎の麹って米が多いのにこれは芋の麹使ってるからなのかな。柑橘系の香りという宣伝文句はいまいちピンときませんでした(オレンジ芋系やフラミンゴの方がよっぽど柑橘な気がする)。
期間限定品らしく店頭で扱ってる時期は限られていましたがネット上では普通に売ってたりします。
3.yaezakura(ハマコマチ/白麹)
最近は色々凝った製法の焼酎がよく出ていて日本酒酵母で作ったとか、ウィスキー樽で熟成させたとか芋の種類だけでなく他の酒の製法を取り込んで独自の味を追求している酒造をよく見ます。その中でもこのワイン酵母仕込みは最もしっくり来る上にオリジナリティもあり、焼酎とワインどちらのアイデンティティも失わず楽しめる1本です。芋の香りを損ねることないどころかむしろ強めで、同時にワインの酸味と渋味が舌に染みるように広がります。ハマコマチはオレンジ芋の一種でいわゆるフルーティ系なものが多く物によっては紅茶や花のような香りがする(茜霧島のタマアカネなどが有名)のですがやはり果実酒のワインとは相性が良いのかもしれません。
4.青潮(黄金千貫/黒麹)
暖かくなって来た時期にこの涼しげなソーダ瓶のような色のボトルを地元の行きつけの酒屋で見つけジャケ買い。バランスが良く、控えめな甘みと辛味が等しく共存するような味わいが大変好みです。芋の香りは他に負けず劣らず強いのに優しくて、モワッと口に広がって残るというより強い香りがスッと駆け抜けていくようなほどキレが良いため「何だったんだ今の夢のような一瞬は・・・!?」という後味は爽やかだけどその一瞬を追い求めてしまってグイグイ飲めちゃう。
度数が高めな荒濾過の方も飲んで、より力強い味わいでこれまた美味しいのでどちらかお好みな方をどうぞ。
5.赤山猪(紅紫芋/黒麹ゴールド)
紅芋も紫芋も有名だけど紅紫芋って赤山猪でしか見ないし調べても出てこないから同系統でdigれなくて困る。ひょっとしてブレンド?という話はさておき、この焼酎、甘いです。思いっきりサムネに辛口って書いてあるし確かに口に含んだときのピリッとした感じはあるけどその後に来る、フルーティ系とは真逆の深く土臭い甘みがとても印象的。紅芋や紫芋は割とフルーティ寄りなイメージがあったのですが、一般的に白麹より重めでコクがある黒麹(ゴールドがより強いのかどうかはよく分かりません)を使ったからでしょうか。芋ではありますがこの独特な甘さは後で紹介する栗極と似たようなものを感じます。シロユタカ×黄金千貫の通常の山猪の方はまだ飲んだことがないので今後機会を伺って試したいです。
6.農家の嫁(黄金千貫/黒麹)
焼き芋焼酎です。普通は蒸した芋を発酵させるのに対し焼き芋焼酎は本当に芋を焼いて発行させるらしいです。焼き芋焼酎は既にやきいも黒瀬でデビューしていたのになぜか他のには手を出しておらず、この酒造の看板の明るい農村も飲んだことがあり農家の嫁の名前もおそらく結構有名で知っていたのになぜか飲んでなかった。焼き芋焼酎って本当に「これは確かに焼き芋だ」ってなるんですよ。甘み?でも甘みある芋焼酎も他にもあるし・・・焼けた香ばしい香りが違うのかも。なんか飲んだときに焼き芋が手元にある絵が想像できて、粘り気があって繊維がぼさぼさしてる感じが口の中で感じられるんですよ、液体なのに(とか言って全然焼き芋じゃないマルニシ製ベニハルカでも同じ焼き芋感は感じた)。焼き芋歴は浅いですが農家の嫁は香ばしさが際立っていて、芋焼酎における芋の香りを期待するとちょっと違うかもしれませんが大変美味しくほんのり甘くてスッキリしているので飽きずに飲めるタイプです。やったことないけどお湯割りでこの香ばしさは極上のものになるかも。
7.八千代伝 Mahler(ベニハルカ/白麹)
芋焼酎は味変する。僕はそう確信を持って言えます。今まで焼酎を買ってきて、特に一升瓶だと開栓から飲みきるまで時間がかかるためか時間の経過で味が変わっていきます。この現象について調べたことないので詳しくはわからないのですがワインや日本酒みたいに酸素に触れるから・・・?でも焼酎はそれで劣化したものは1,2本くらいしか覚えがなくむしろ美味しくなったか違う良さが湧いてきたかのことが大半です。このMahlerはその中で最も化けました。これに使われているベニハルカという芋は他でも飲んだことがありひときわ強い甘みが特徴的で、最初これを飲んだときは「おお、甘みだけではないベニハルカの良さ(渋み・香り)も現れている上品で奥の深い酒だな」と思っていました。ところが5日目なんとなく蓋を開け香りが鼻に入ってくるや否や驚きました。まるで濃縮された蜜のようなんだけど少しツンとした香り。実際にグラスに入れて飲んで見たら味もその通り、甘さ・渋みと酸味がギュっと濃縮された、まるで芋を手で絞ってひねり出した蜜を飲んでいるような(出ません。イメージです)濃厚な味わいでした。
本当に限定品らしく毎年6月だけ販売らしいのでネットでも在庫切れ多数。一升瓶はありません。
なお八千代伝は以前ベニハルカの吊るし芋を使用したものも大変美味しかったのでおすすめです。吊るし芋食べたことないけど
8.栗極(栗/白麹)
ここまでずっと芋できましたが栗や黒糖も好きで、僕のベスト栗をここで1本。超濃厚です。これ以前に飲んできた栗は確かに優しい栗の香りだな〜と感じられるくらいの物が多く、栗を初めて飲んだときはこれ栗ですって言われなかったら多分分かんなかったと思います(僕が舌バカだからかもしれませんが)。同期と以前いった旅先の高知で特産のダバダ火振を飲んで以降、芋みたいに物によって全然違うのを期待して栗を何本か探していたのですが意外と差はなく何か良いのはないかなと思っていた時に地元の酒屋でこれを目にしました。宣伝文句には栗をふんだんに使用(正確には覚えてないけど通常の5倍とか?)とあり、値段はちょっと高めだけど店の人からのお墨付き。限定品とあるしせっかくならと思って買って飲んだときは衝撃でした。これは初めて栗焼酎を飲んでも栗だと言える。栗のモサモサした土臭い甘みと香りが洪水のように押し寄せます。初めて飲んだときほろ酔いで、僕の持論だと3杯目以降は舌が鈍ると思っていてその時5杯目くらいだったのですが感動のあまり酔いが少し覚めました。
一升瓶はありません。限定品と言いつつかなり長い間店やネットで確認できていますが、買えなくなるかもしれないと思うと怖くて怖くてたまりません。
この1本は好きすぎて少し買いすぎないようにしています。本当に今飲んでも全く感動は色褪せないのですがいつもいつも手元にあるといつかありがたみがなくなって飽きてしまうかもしれないと思い少し距離をおいて、あー栗極飲みて〜〜〜!となったら買うくらいにしています。僕にとっては大好きなアルバムばっかりを聴きすぎないようにするのと同じです。またこれを見つけたとき少し悲しかったのが今までの栗焼酎が、旅先で飲んだものすら霞んで見えてこの先もこれ以上の栗はもう見つけられないだろうなと思ったことです。最近ダバダを久しぶりに飲んだらいや全然これもまともにうまいわと思い、地元にしか置いてないどマイナーな40度の栗を試しに買ってみたら栗極ともまた違った濃厚な良さがある1本だったので少しホッとしています。その栗についてはまた今度紹介できればなと思います。
と、焼酎新規勢の僕が選ぶ焼酎8選を紹介させていただきました。ちょっと長すぎるので紹介できなかった1本や今後良いと思った1本、ユニークな1本、同じ酒造のシリーズでの比較などまた記事にできたらしていこうと思います。麦焼酎も同じ要領で好きになれたらかなり幅が広がりそうだな〜
白鳥は踊り狂い、薔薇は咲き乱れる
生活の中で自分が感じたではなく考えたことを書こうといていたものだけどいつの間にか作った音楽について語るブログになってしまっている気がする。ですがここでも報告させてください!
私、秋葉龍の1stアルバム"Swans Dance, Roses Bloom Like Mad"をリリースしました!!!!!!
Apple Music
YouTube Music
上記各サブスクにて配信中です、近日中にCDも各所で販売の予定です!
いやぁ・・・やりやがったなコイツって自分でも思います。
いつもは曲を作った時寂しさが大きいんですけど、今は達成感のほうが大きいです。やっぱりYouTubeやSoundCloudに曲単体でポンと置いて誰か聴いてくれるかなじゃなくてアルバムとして、サブスクやCD(予定)というオフィシャルな形で公の場所でより広範の人々に味わってもらえる嬉しさよ・・・
このアルバムは2つの意味で僕の悲願でもありました。制作の経緯を少しだけ語らせてください。
今から5年ちょっと前、一橋に一度落ちた僕は浪人していました。センター試験を間近に控えた11月頃だったでしょうか、センター世界史がどうやってもどうしてもどうにもなりませんでした。2次には使わないもののあまりに高校の頃の授業が好きじゃなくてセンターレベルでも苦手意識があって・・・
と、現役で他の大学に進学した親友Kに愚痴っていると世界史が得意で気のいいKは「センターくらいならまだ覚えてるし、俺がマンツーマンで教えてやろうか?」と。その優しさに僕は飛びつき毎朝2時間ほどだったかLINE通話で、Kは大学1年春休みの一番楽しいであろう時期にわざわざ早起きまでして教えてくれました。そのおかげでセンター世界史も問題なく無事大学に合格、そこまでしてくれたKに「何かお礼をさせてくれ」と言うと「じゃあ俺に1曲作ってくれよ」と。そんな・・・アマギフだとか飲み焼き肉奢りだとか求めずに俺の曲だなんてこいつはなんていいヤツなんだと思いました。Kは僕の誘いで高校の時からベースを始めていてよくお互い好きな音楽について語り合ってたり作った曲やフレーズを家でよく合わせたりしていたからこう言ってもらえたんですかね。
で、オタク趣味から離れ意識高い系おしゃれ大学生になりかけていたKに向けて、「クセのあっていい味出してたお前も落ちぶれかけているぞ」というメッセージと教えてくれた世界史にかけてKをイギリスと見立てて、ケルトやトラッド、プログレといった曲調で、Kを揶揄するような様々なキャラクターを物語に登場させて詞と曲を1ヶ月で書き上げました。普段よく厨二ネタで遊んでいたのでタイトルもしっかり香ばしく。構成や展開はジェネシス、フレーズや雰囲気はジェスロ・タルやイエスなどからの影響が強いですかね。Blitish Casquedeとかはゼルダの伝説、The Man Who Lost His Bagpipeなんかはクロノ・トリガーのゲーム音楽のような味わいがあると思います。それらも僕の曲も古楽やトラッドフォーク由来のものですが。
Kはできたものを聴いて非常に感動してくれました。
しかしその頃は今あるLogicや機材を持っていなかったので全部フリーソフトのTuxGuitarの音源でヴォーカルもクラリネットで代用という、作編曲のクオリティはさておき音源としてはチャチすぎるものでした。そこで僕はKに「いつか素晴らしいメンバーを集めてバンドを作る。いつになるかわからないけどこの曲をレコーディングしてお前に届ける」と約束しました。
僕の個人制作になりましたがこの約束を果たし、先日できて最初にKに送り1つの悲願は達成しました。
僕はこの曲を書き上げた頃から特に自分の作曲能力には自信がありましたが、いかんせん音源が音源なので僕の曲の良さを知ってもらう機会があまりにもありませんでした。それに何回かトライしたもののなかなか外バンはメンバーが固まらず空中分解を繰り返し(最近は新たなメンバーで結成の動きがあります)で、なんだかくすぶっているような気がずっとしていました。僕の悪いところなのですが外バンや作曲活動を本格的にやっている人を妬ましくも思っていました。
で、去年卒業した後ゲーム音楽メドレーのあたりから宅録のノウハウを学びつつ自分の曲などを録音していきついにこの楽曲の録音に取り掛かったというわけです。自分の真の実力を発揮して周りの人間に吟味してもらいたい、という2つ目の悲願もここにて叶ったということです。
というのがこのアルバムの背景です。ジャケットを描いてくれたのは美術部と兼部している軽音の後輩です。以前一橋祭の展覧会で見た森の油絵が印象的だったので依頼しました。CD版は4pの紙ジャケ予定で表と裏で繋がった1つの絵です。内ジャケのデザインと制作は僕がしました。
承認欲求もここまで来れば大したものだと我ながら笑ってしまいます。創作意欲すべてを承認欲求の一言では片付けられませんが、人を感動させたいというのも人に認められたいというのと近い感情だと思いますし、大概の承認欲求は世間で言われてるほど悪いものではないと思います。
自己評価ってどこまで煮詰めても主観が入りうるから人の評価って参考になるじゃないですか。だったら主観なしで素晴らしいと認められるようになりたいって思うことって決して悪いことじゃないですよね。
とこの辺の議論は僕の中でもそこまで考えがまとまってないのでぼろが出る前に今回のお話は終わりにしておきましょう。
そうそう、チャチい音源ならいくらでもいい曲作ってるのでもう2ndアルバムの構想はできてます。今後とも宜しくお願いします。では。
世界に捧ぐ
ここ数ヶ月僕は自分が作って貯めに貯めてきた楽曲の数々を宅録と打ち込みで、あのちゃっちいTuxGuitarよりかはまともな音源にして発表するようになりました。芸術作品を説明することはやりすぎると無粋かもしれませんが、好きなバンドやミュージシャンのインタビューで作品の背景について読んでその環境や携わった人間について知るのって僕は結構好きなんですよね。そこで、僕はインタビューされる機会は流石にないから見たい人だけ見れるこういう場で、解説とまではいかなくても自分の発表した曲の作ろうと思った経緯や歌詞について綴りたいと思います。
1.Dominated Caesar
我が家の愛犬カイザーとドミナに捧げるカントリー風のソロギター。
4月からコロナ禍で外出自粛、旅行なんて到底行けないって日々が結構長い間続いてたもんで旅行欲を紛らわすためによくGoogleEarthで国内外の田舎地方をストリートビューで散策してた。そうやってイギリスやアメリカの田園風景を眺めてるときよく、カイザーとドミナ連れてギターでも弾いてのんびりしたいななんて思ってた。で、その頃追いコンビートルズノスタルジーでよくポールマッカートニーのソロやウィングスをよく聴いてて、なんとなくHeart Of The CountryのPV(ただ映像流してるだけかも?)を見てたらリンダとマーサを連れて田舎で遊んでいた。ポールもマーサへの曲作ってたし、Yesのスティーヴ・ハウが息子にClapというソロギターを書いたみたいに僕も書きたかった(しかもその頃のハウも確か今の僕と同い年くらい)から書いてみよう、っていう経緯だった。その経緯もあってメロディはちょっとポールっぽいしつなぎのフレーズや展開はハウっぽいように感じる。
2匹とも結構元気に走り回るけどよく寝転がりながら寂しそうな目をしてることがあるとことか、低く吠えた次には甲高く鳴いたりして忙しいとことかが自分で聴いていてもよく想像できる。ドミナはまだ7歳でカイザーはもう13歳だけど散歩でも家ででも年を感じさせないくらい本当によくはしゃぐ。ずっとドミナに対しては弱いけど。長生きしてほしいです
2.Home Alive (in the Summer)
バンド形式の曲で初めてまともに録音した曲がこれとなった。元々は大学4年の夏に完成させた、国立の四季を描いた春夏秋冬4パートから成る23分の大作だった。
今年の夏外出はできるだけ控えてもやっぱり外に出ないと気がすまない人間なもんで、なんとなく国立から回収したチャリで地元を走り回ってみようと桐蔭のあたりをぐるぐる回っていたら本当にいい景色で・・・ずーっと広がる田んぼや畑、昔親父と何回も遊びに行った鶴見川のサイクリングロードを汗かいて風を受けながら突っ切るのは最高だった。けどやっぱりバンド練して空き時間にチャリで谷保体のプールに行って人と会ったりしたら飲みに行ったりするような国立の夏がないと思うとどうしても寂しかったから、去年書いたこの曲を聴いていたら夏パートだけでも自分で演奏せずにはいられなくなった。
AirのBGMや久石譲のような真っ直ぐ響き渡る切ないピアノというのが本当に好きでこの曲でも使った。そしてそのメロディを継承し歌が入り、ドラムやベースが徐々に小刻みに、そこから同じくそのメロディを転用したリフと歌によるハードロック展開。その暑苦しさから今度は台風のごとく荒れ狂ったり静まったりするプログレッシブな展開。そして最後は晴れて徐々に暑さを失い夏が終わる。原曲の中でも最も完成されたパートだと思う。
意図してパクったつもりはなくても無意識にパクってるのか、あとから聴いて結構似てるなって思うことがよくあって、自白してしまうとハードロック展開のリフはBarock ProjectのSkyline、プログレ展開の静まるところはフランク・ザッパのCity Of Tiny Lightsがこの曲では結構似てるなと思う。拍子とか使い所が違うから許して!
やっぱりこういうバンド形式の曲って僕が好きなバンドとかは特に、実際に音を出してセッションとかをしてるうちにメンバーでアイデアを出し合って練っていくもの。だからTuxGuitarで想定していたサウンドやフレーズの雰囲気が実際に録音してみると違ったりして録りながらこここうしてみたら面白そう、とか色々付け加えた。いずれこういう曲をレコーディングする日に向けてドラムや鍵盤の打ち込みやミキシングのノウハウをちょくちょく学んでたけど本当に難しい。これらに関しては特に今後もっと成長させたい分野ですね。
ここに書くと次の曲まで長くなっちゃうんで歌詞は記事の最後にまとめて全曲書きます。
3.Fake Brain / Pure Virus / Virus In Brain
特に今年に入ってからの僕のカンタベリー熱の高まりのあまり書いた曲。イントロのベースリフだけはカンタベリーっぽいフレーズだなって思って2,3年前くらいからメモしておいてた。De Loriansのアルバムのbandcampなどの場所での評価や他の各国新鋭カンタベリーサウンドの勢いを見ながら聴いてるうちに自分の内なるカンタベリースピリッツをぶちまけたくなって、僕にしては珍しく春の1ヶ月程度で書き上げた。やっぱりカンタベリーサウンドにはギターだけでなくオルガンとファズのベースも僕は欲しくて、TuxGuitarではファズをかけられないからこの曲は正規の録音をしてから世に出すことを心に決めていた。
僕の歌詞は、内容は書きやすくするため一応決まったテーマはあるけど語感や韻の方を重視しているため文法も違うかもしれないし言っていることも筋が通っていないかもしれない。けれどカンタベリーには詩にも湿度の高めの皮肉やジョークっぽいものがよく見られるため僕もそうしようとした。何を書こうかとしていたときたまたまネットニュースで「『コロナはフェイク・ウィルスだ』とデモが起きている」というのを見た。バカだなぁと思っていたが、社会的思想やしっかりした理論でなくても軽く小馬鹿にできるくらい低い程度の人々だなと思ったので扱うことにした。またカンタベリーの曲名に関しても、普段使われないような単語(「歯」「陸ガニ」「双眼鏡」など)でかつ長いタイトルということが結構多い。元々別の3曲とかではなく1つの曲として書いたが/で区切って3つのタイトルを付けたのはGilgameshのオマージュ。それで、その時なんとなく思った「ウイルスは本物でこいつらの脳はハリボテ、脳みそがウイルスにやられてるみたいだ」というのをそのままタイトルにした。(実際にVirusパートのフレーズがBrainパートのバッキングに乗っているという仕掛けもある)
普段曲名では使われないけどTakeとかItみたいな単語よりは狭義でイメージがしやすい、かつ日常ではたまに使われる少し親近感のある物の単語は「有機的」に感じる。でも曲名全体で見たら意味が不明で無機的に感じる、そんなカンタベリーの曲名にありがちなアンバランス感が気に入っている。
この曲は書くのはスラスラ書けたけど録音は苦労した。ギターやベースでファズをかけたことはあってもオルガンにかけたのはゲス極をやった時にやってみた程度。というかそもそもオルガンのいい音作りがわからない。なんだよドローバーって。歌に関してもかなりHome Aliveとかとは歌い方を変えた。リチャードシンクレアやロバートワイアットみたいな、柔らかくてちょっと気が抜けたような感じもあるけど表情の変化がしっかりある感じ。歌のビブラートもまだ僕はそこまでできないから何回もリテイクした。
個人的にこの曲のいいと思うところは、クリーンのバッキングのフェイザーや、カオスなパートのフルートのワウのかけ方を調整してサイケジャズっぽい浮遊感を演出できたことと、ジョークであり意外性をもたせるSEを使えたことと、良いソロができたこと。エレピは静かに美しく、ギターは鬼気迫るブチギレたサウンドを出せた。あと細かいけどノリで「augから始まるサビがあるならaugで終わってみたらどうなるか」ってやってみたら不穏な雰囲気がピッタリだったのも面白かった。ファズを強めにかけるとラジオが流れるのは結構知られてると思うけど、いい感じにファズベース録り終わったら面白いラジオ音声が聞こえたから面白くてわざと残しておいた。とにかく、カンタベリーというコンセプトは決めてても色々考えたこと全部盛り込めるような感じで本当に作ってて楽しかった。翻って完成させたときの寂しさは一際大きかった。作曲に関する僕の考えや情念を語ろうと思いましたが長くなるのでまた他の機会に別の記事で書こうと思います。
意外にもオリジナル曲の中では現状この曲に対する評価が一番高い。レッシャー以外のSNSフォロワーも多くてこの曲は一番一般受けしなさそうなものだけど、レッシャーを始めそれ以外の人からもFF外からも心の底から嬉しいコメントを頂いた。本当にありがとうございます。
4.Mother Nature
高3のとき書いた曲。C#F#C#F#A#C#というヘンテコなチューニングで適当に弾いてる時にこの曲の陽気なイントロができた。このチューニングをどこで知ったかわからないけど、どうせ多分ジミーペイジなんだろうな。Queenの'39、Led ZeppelinのBron Yr Aur Stompみたいなズンチャカやってギタージャカジャカ鳴らしてみんなで手拍子しながら歌うようなカントリー、すごく好きなんですよね。というかカントリーに限らず大勢で歌うのが良い。Humble PieバージョンのOh La De DaとかKISSのRock and Roll All Niteとか。歌える人間が多いバンドに悪いバンドなし。で、そういった曲を意識しつつアコースティックのソロもやりたいなって考えていたらこの曲ができてました。
高3の年末だったかな、名前は出せないけど桐蔭の英語の先生がよくギターを持ってきて歌を歌ってて、授業終わりにお前なんか弾いてみてよって友達に言われてピンク・フロイドのWish You Were Hereを歌った。そしたらクラスのやつが、卒業前の思い出づくりも兼ねて冬期講習のあとにみんなの前で色々弾いてくれと言われた時にこの曲も弾いた。何も許可とかとらずに桐蔭の大学食堂勝手に使ったけど時効ということで許して!みんなきてくれるということで、受験直前にもかかわらず自分の持ち曲以外にもジングルベルと当時流行りのLet It Goも練習した。浪人待ったなし。大学3年なった4月頃の小平寮のパーティでもティハとのデュオで演奏した。結構僕とは腐れ縁のような曲なんだな
録音にあたって、サビを一人で歌ってもどうも曲のテンションに対して盛り上がりに欠けるなと思って、軽音の歌える人で雰囲気合いそうな人色々声かけて参加してもらった。ありがとうございました。焚き火の周りで酒飲みながら歌いたいという僕の願望も込めて瓶の音とかガヤとか騒がしくしました。途中のくしゃみはレコーディング中本当にしちゃって、後ろ向いてても音入ってたから面白くて残したままにしおいた。大人数の厚みのある手拍子が欲しくて、曲全体×16トラック分の手拍子録音してたら気が狂いました。
この曲家で弾いてたら親父にそれDoobie Brothers?と聞かれたけど全く心当たりありません。どなたか御存知でしたら曲名教えて下さい。
・告知
宅録にもちょっとずつ慣れてきたということで次は僕が浪人明けに書いた、6パートからなる30分超の曲をレコーディング開始してます。
この曲は僕が浪人時代センターに必要な世界史がどうしてもできなくて、すでに現役で大学生だった世界史の得意な親友がわざわざ時間を割いてつきっきりで教えてくれて、なにかお礼をさせてくれと言ったら「俺に宛てた曲を作ってくれ」と言われたのでそいつへのメッセージを物語性のある歌詞に隠しつつ、中世ヨーロッパやケルト音楽の要素を土台に書いた曲です。
この曲ができたらYouTubeとSoundcloudにあげるだけでなく色々もっと仕掛けを考えているのでぜひお楽しみにしておいてください。
曲の長さと勉強への集中からまあまあ時間は掛かりそうですが・・・
・歌詞
読みたいと思ってくれた方はこちらを。
2.Home Alive (in the Summer)
Now jarflies' shouts penetrate blue-red sky
What is your lyrics? And your picks are wearing out, just soon be dead
Wish I had a time to love again; no return
Every green leaf knows he cannot be a crimson rose
Don't doubt that you can turn red and burn hearts with pathos anyway
Be a green forest and to the fullest; no return
See the sun, it's gonna cook us, so now, run!
Take your load off away, what do you say
when it turns your soul into the dish with a fish?
Catching winds in the smell of lined green,
saturated with the damp air,
in the night why don't we gather around and drink?
The post looks further than it is
See you tomorrow, be sure!
Inside the home, outside the home
you should be the same
The glare that you have makes me flame
We have no time to sit, wait a little bit
thunderbolt and lightning, do not hit! Clouds, quit!
Know that green gets greener...still
Saturated in a shower washing down all the smells of the ground
Is it applause on jarflies' songs?
All hear the sound and the strong glare robs the light
When you cry I will be with you and share the tears
Even in the night they make a roaring noise just like cannot get away
each other from the bad dreams we show, oh, flash!
Carry on crying'n start raging more and more enough to drink all
Is it the heaven gods' summer fete?
All hear the sound and the strong glare robs the light
When you cry I will be with you and share the tears
Pitter-patter...hit
Raindrops keep on while the others light
Ruthless like I smash the skylight
Raindrops keep on while the others light
Oh, at last, you stopped?
Saturated in a shower washing down all the smells of the ground
Is it Appkause on my lullaby?
All hear the sound and the strong glare robs the light
When you smile I will be with you and share the laugh
Look up, see the sun, it's gonna cook us, so now, run!
Take your load off away, what do you say
when it turns your soul into the cash tobe ash?
Sing it all again
Now jarflies' shouts penetrate blue-red sky
What is your lyrics? And your picks are wearing out, just soon be dead
Wish I had a time to love again; no return
Every green leaf knows he cannot be a crimson rose
Don't doubt that you can turn red and burn hearts with pathos anyway
Be a green forest and to the fullest; no return
So good bye
I'm in love with you
3.Fake Brain / Pure Virus / Virus In Brain
I. Fake Brain
Windows of your house that is fogging up
should be cleaned up, or you can’t see the out
The days you loved won’t be back soon
Here is not like a cartoon
Oh, no! Do not open any one of them
That true gold crown isn’t good on you
Why don’t you lie down and read the news
I’m going back to the days that I hate
It’s the only way to retain my head
You know, aluminum foil is not a hard hat,
but your fake brain can be saved, is not it?
Sit here, we are prisoners of a business
Not seesaw but jig saw puzzle or guzzle
Please sit here, we are prisoners of a business
Not seesaw but jig saw puzzle or guzzle wine
The Garret of your house is nothing but a fake
Full of money, how fool you are!
You say that crown is a lie
Head so somewhere like a site?
Living on the web, I think it’s dubious
Maybe caught in and it’s contagious
for your poor garret, don’t make a fuss
I’m going back to the days that I hate
It’s the only way to retain my head
Cannot save your wisdom with damn thick wallet
But your fake brain can be saved, is not it?
II. Pure Virus
While you’re cleaning your own shoes
got to clean the ground you’re on
A cup of a tea watching news,
You may think about these bones
So I’m a virus, killing you parasite
- Would you like housekeeping?
We are everywhere getting lost in the crowd
You are just lucky to be here simultaneously
I’m sorry, but could you be quiet for a while?
III.Virus In Brain
Ahh…..
Da da da da da….
I’m a virus killing you parasite
- Would you like housekeeping?
I’m a virus killing you parasite
- Would you like life assurance?
I’m a virus killing you parasite
- Would you like renovation?
I’m a virus killing you parasite
- Would you like fixed windows?
I’m a virus killing you parasite
- Would you like a home safe?
I’m a virus killing you parasite
- Would you like subscription?
Restarted the storm. We shall do the same in you
And even if you do not swarm, now the Internet will do
You are unlucky to be here simultaneously
I’m sorry, but could you be quiet forever
Why don’t you just lie down the have a dream
It is the endless, for we virus in brain
Ahh…
Da da da da da…
Ahh….
4.Mother Nature
Hey, hey, can I take your hand?
I’ll take you to a nice place
Sky is so fine as sand
I’d love to see your smiling face
Hey, hey, can I have some wine?
Soon this makes me so merry
Let’s sing and dance beside thyme
Rhyme while eating a berry
Hey, hey, I’ll bring my friends
and lie down and see the stars
All of us hope you’ll attend
and sing together with my guitar
It’s all right, you’ll feel so better
So bright, unchain your fetter
Now, light! Everyone, clap and stomp!
Please step here, take your mind off
let’s hear everyone laugh
Then we’re aware that we’re so happy
Now, hear the wind blow through the windows
Can’t you hear even when it snows?
Sang well, danced well, and rang bell
Tell me you won’t bit farewell
We’re right even in lightless night
Where the evening ends bright?
Walk on till the end of summer
Welcome a kind late comer
Hey, hey let’s go a long way
There is a cozy old hut
We’d lived there day after day
among warmth and a lot of nuts
Hey, hey, roses in bloom
prick you and trick out you
Wearing natural perfume
You’re like the goddess of the moon
It’s alright, you’ll feel so better
So bright, just get the letter
Now, light! Hope it remains the same
Please step here, you’re not alone
It’s clear you are your own
Let’s hear Mother Nature blessing you
Now, hear the wind blow through the windows
Can’t you hear even when it snows?
Sang well, danced well, and rang bell
Tell me you won’t bit farewell
We’re right even in lightless night
Where the evening ends bright?
Walk on till the end of summer
Welcome a kind late comer
2020年上半期を振り返って
毎年毎年この時期になるともう今年も半分終わりか、と言うのが当たり前になってきてる。実際1〜6月の方が7〜12月よりもあっという間に感じませんか?僕だけかもしれませんが、単純に年度の前後で新しい生活や人との出会い、そのための準備に労力を割いているからとかですかね。
とはいっても僕にとって年度が変わってからはただずっと家で勉強して合間に音楽やゲームをやる日々になっただけで、特に準備することもなければ短期的な気を揉むようなこともないし、いつもの新歓だとか就活だとかのような忙しさは全くない。卒業間際のイベントの熱量が大きかったから、といったところでしょうか。というのも、両サークルの最後のイベントが終わった瞬間に時が止まってまるで嘘の世界に生きているような感じがしていて、ずっと家にいて人と直接会わない環境がそれを助長し4月からつい最近まではまるで意識がないまま生活しているような感覚だったというところです。
最近ようやく、以前ほどの外出は控えつつもちょくちょく友達と会うようになってきて、止まっていた時間が少しずつ動き始めたように感じます。追いコン以来弾いていなかった、僕の相棒であるギターをやっと回収できたのもあってなんだかやっと秋葉龍が誰だったかを思い出してきました。
話が変わりますが年度が変わってからちょっと僕自身にとって変わったなと感じることが一つあって、それがこのブログを始めたきっかけでもある考える、ということを以前よりなんとなくできるようになったということです。といってもまだ家での今までと同じ生活が日常の80%なのでそこまで多くの場面ではありませんが・・・
飲み会や遊ぶ時間が減ったからできたんだと思うけれど、最近頑張っている宅録の音作りや録音、演奏自体だけでなく趣味のスマブラ、麻雀も上手い人の動画をYouTubeで見たりネットで調べたりするようになった。そしてそれを鵜呑みにするだけでなく自分のプレイの何が悪くて何が良いのか、100%結果に反映はできなくてもプレイが終わってから、そしてプレイ中も考える能力がなんとなく身についてきた気がします。これは当たり前のことだけど、今までの自分はそれすらできてなかったと思うと今までの時間がもったいなく感じますがそれはしょうがない。
もちろんそれは今やっている資格の勉強にも言えることで、勉強、趣味において考えることができるようになってから一つ見えてきたのが、僕は習うにも慣れるにも人一倍時間が必要であるということ。これはもう考える考えないの領域を超えていて、生まれ持ったスペックだと思う。いくら考えることができるようになってきても結果に現れるのがかなり遅い。つまり要領が悪い。僕のポンコツぶりを大学で弄り倒されてたときから薄々感じてはいたけど、いざはっきり自分で認識すると辛いものがある。「自分は父親に似ている」と昔から思い続けてきたが、父は多少の苦手分野はあるけれど要領がいい人間だと思う。仕事に関しては経験や知識がものを言っているところも多いんだろうけれど、それだけではないように見える。父のことは僕は好きではないがそういうところは凄いと思うし、自分とは違うと感じた。昔から僕の要領の悪いところには悪口を言われてきたがこの差は何が原因なんだろう、やはり先天的なものなのか。外出自粛で物理的な距離は近くなっているのに心理的にはどんどん遠くなっている気がします。
とあまり精神的に元気じゃなくなっているように見えるけどそれほどでもありません。前に言った気がするけどいわゆる「病む」ことが多い人ってそれほど色んなことが気にかかるし、悲観的とはいえ自分にとって懸念すべきことをしっかり捉えられているしある意味すごいと思う。僕は圧倒的楽観主義人間できたけど自分にはないものをそういう人たちは持ってると思う。
話を戻すとそんな要領の悪い自分でも音楽は一応自分の今までの人生の中では一番力を入れてきた分野なわけで、器用ド貧乏ではあるが色んな楽器を扱うことは一応できる。僕が全く大学で学ばなかった経済学でも数少ない覚えている用語で「比較優位」というものがある。たまたま知っている言葉を得意げに言うなと言われそうですが、人よりは劣っていても自分の中では最も高いパフォーマンスを発揮できる分野に力を入れるっていうような話です。僕が今活発に宅録してどんなに伸びなくてもめげずに作りたいと思い続けられるのはそれのおかげかもしれません。
音楽への情熱といえば以前こんなことを聞かれたことがあった。「自信を持って生きているように見えるがけど、(嫌味とかではなく)その自信はどんなところから来ているの?」って質問だったかな。迷わず僕は「自分の作る音楽、愛する音楽に誇りを持っているから」と答えました。音楽で食っているわけでは全く無いけれど、僕の人生にハッシュタグをつけるとすればまず最初に音楽が来るだろう。ならばそれが自分の心の拠り所であればよい。全てを上手くこなせなくても譲れない1つがあればよい。自信があると言ってももちろん、こいつには敵わん、とか自分には作れん、という音楽は大量にあるし、というかそういう人や音楽がほとんどである。それに自分の作っている曲は一般受けはしないようなものだし自己満足かもしれない。けれど僕は自分が作った楽曲に関しては100%自信を持って傑作だと言える。10,000人に「お、いいねこれ」と思わせられなくても世界中の誰か1人を「こいつはすごい」と唸らせられるようなものは作れると思っている。自分だけにしかできないと胸を張って言えるこだわりがある。そしてこれも競うものではないが音楽への愛は揺るぎないものであり誰にも負けないとも思っている。要領の悪い人間でも悪いなりにがむしゃらに、その自信でもって今後も一生音楽を作り続けたいと思います。そろそろオリジナル曲録音でもしようかな。
とまあ真面目に内省をするだけで終わるのももったいないので、せっかくこの上半期を振り返るならこの上半期で出会って感動したアルバムでも紹介しようかと思います。
1.Of Queues And Cures (National Health)

こういうちょいグロ、ちょい悪趣味系のジャケってプログレならではな気がする。散々これのことTwitterで言ったけどもっと早く買えばよかった。知っている人ならもう当たり前に知っているバンドだが解散したHatfield And The NorthとGilgamesh、カンタベリー界の偉大な2バンドが合体して生まれたバンドだ。でもやっぱりその2バンドとは全然違う印象を受けるのはエレピもオルガンもシンセも全部あるという点だろうか。あとギタリストとしてはフィルミラーのファズギターがかつてないほど全面に出ているからだろうか。アヴァンギャルド要素が少なくて構成も5大プログレのような組曲形式が多いからだろうか。そういう分析はおいておいて、とにかくカッコいい。カッコいい、という形容詞が似合うカンタベリーも珍しいだろうか。ギターもベースもオルガンもファズで暴れまくるというシーンが有ったかと思うと管楽器やクリーンのオルガンが綺麗に聴かせるシーンもあるという緊張感が良い。1stの方が多分有名だけど僕はこっちのほうが好きかもしれない。
2.Weißes Gold (Stern Combo Meißen)

プログレの数多のサブジャンルの中で異色を放つドイツのクラウト・ロックというものがある。ミニマル・ミュージック寄りでテクノの源流とも言えるような電子楽器の活躍するジャンルである。けれど僕はどうしてもこのジャンルが今でも好きになれず、Tangerine DreamやPopol Vuhも、プログレやドイツにとどまらず名を馳せるCanやKraftwerkもどうも好きになれない。ロック色があまりに消えているから?前衛的すぎるから?いまでもよくわからないが、辛抱して聴いてたらいつしか大好きな作品になっていることを祈って時々聴いてみるか。話をこのアルバムに戻すとこのバンド、ドイツの70年代後半ころから活躍しているプログレバンドだが、いわゆるクラウトロックではない。Triumviratなどにも似た「ELP系」と言われるキーボードトリオ系のジャーマン・シンフォだ。このバンドはキーボードもドラムも2人ずついてトリオではないが。ギターレスのバンドだと逆に表現の幅が広がるように感じるのはギタリストとしてはどうなんだろうかと思うが、主にクラシックやジャズにかなり近いところまでロックを寄せられると思う。クラウトは好きじゃないけどジャーマンシンフォは大好きだなあ。このアルバムは70年代末期というのもあってか少しポップな感じもあるが、僕にとっては数あるポップ化してしまったプログレバンドに比較したらかなりいい塩梅のポップ加減だと思う。ダイナミックでわかりやすくかっこいいクラシックが好きな人なら刺さるかも。
3.Band Of Gypsys (Jimi Hendrix)

ジミヘンはそれはもう僕がこの年代のロックにハマってGoogleで「ブルースロック 名盤」とか「ハードロック 名盤」とかを調べてはTSUTAYAで借りたりユニオンで買ったりを繰り返していた頃から聴いていたが、And Experience時代の3枚とモンタレー、ウッドストックのライブ盤と1枚のコンピ盤しか聴いていなかった。一般的な評価が高い3枚だったからだ。というバンドは結構ある気がする。世間的に評価が高いアルバムとライブ盤だけ聴いてその前後は聴いていないというもったいないバンドが他にもいくつかある気がする。この盤のなかではMachine Gunだけは知っていた。ベトナム戦争のことを歌い、ギターが悲鳴を上げドラムが銃声を鳴らし、ユニヴァイブが鬱蒼とした密林を描くまるで映画でも見ているようなライブ映像を見たことがあった。そういった戦争が映画でなく現実に起こっているからこそ彼らは演奏していたわけだが。このバンドはリズム隊の影響もありファンク寄りとも言われていて実際にエクスペリエンス時代のサイケ・ブルース感はたまたR&B由来のバラード感は薄れているが、変わらずヘンドリックスの音、フレーズ、世界観がそこにあるっていうのが世界最高と評される理由なんじゃないかと思う。このバンドでの演奏もっと聴きたかったしマイルス・デイヴィスとのコラボも聴きたかったな
4.Country Music's 2 Guitar Greats Merle Travis & Joe Maphis (Merle Travis & Joe Maphis)

だいぶ前に代官山TSUTAYAで旧作10枚1000円セール時に数合わせという微妙な理由で借りたものの全く聴かずにいたアルバム。借りた当時もこの2人のビッグネームは知っていたがこの2人カントリー仲間とはいえ違うタイプじゃん・・・そう思って全く聴いていなかったのを後悔した。マールはチェット・アトキンスが多く学んだというギャロッピングのソロギターをよく弾く人でジョーはブルーグラス系のマンドリンもヴァイオリンもコンバスもバンジョーもありえないレベルの速弾きができる人。パクりたくなるフレーズがたくさんのギタリスト向けなアルバムだけど残念なのは、サウンドと曲調がアルバムを通してあまり変化がないこと。のんびりとした雰囲気を味わいたいイージーリスニング的な聴き方もいいかも。
5.Sweet Georgia Peach(Russell Malone)

普段家で宅録している曲も色んなジャンルをやっているけどジャズはやっていない。フュージョンのコピーならしたけど。ジャズは宅録するよりセッションのほうが楽しそうだし、アドリブで録っても良いのが録れる自信がない。そのせいかジャズから離れてしまっていてジャズ研を引退してからあまりジャズをdigってなかった。これはまだ聴いてた3月とかに見つけたやつかな。僕が好きなジャズってコンテンの中でも少しプログレッシブな雰囲気を感じさせるorキメがかっこいいやつと、正統派なバップで良いメロディを奏でるやつっていう結構両極端な感じがする。このアルバムは後者で本当にストレートなジャズをやってる感じがして、ジャズ研に入って初めてバップというものにまともに触れた頃を思い出した。ギターの音もこういう、メロウすぎないけど温かみのあるフルアコサウンドっていうところが僕好みなのかもしれない。これを書くために情報を調べてたらなんとロン・カーターやケニー・バロンが弾いてるらしい。そりゃいいアルバムなわけだ
番外編.The Rotters' Club (Hatfield And The North)

最近口を開けばHatfield And The Northだし今更語るには遅い大傑作だけどもどうしてもこれが入れたかった。こんな大名盤は前から知っていたし好きだったが、それが年月をかけてどんどんどんどん良さが染みるように伝わってきて、聴けば聴くほどスルメのように美味しさが感じられてというのがここ半年で起こったというわけだ。浪人の頃友達にもらって最初に聴いた頃はアヴァンギャルド感のせいか、あとエレクトリックジャズ耐性がそこまでなかったせいかあまり好きではなかったが我慢して聴くうちに好きになっていったタイプだ。半年くらい聴いてたら好きになってて、4年経った今では私を構成する9枚に入れるレベルだ。このバンドを好きな人が軽音にいたのが驚きだったし、ぜひ軽音もジャズ研も、その他の僕の知り合いの方々にも聴いてもらいたい1枚だ。非の打ち所がない。インプロヴィゼーション合戦の大曲や展開の読めないジャズ・ロックと言ったプログレッシャー向けの曲もあるが、どこか哀愁のある歌ものやカフェで流れそうなおしゃれエレピ、限りなく美しいメロディに軽快なジョークが効いた曲、聴いたら時間を忘れること間違いなし。僕のようにある程度熟成期間が必要な人もいると思うがピンとくる人は一発でのめり込めると思う。
という感じで久方ぶりの記事なもんでかなり長くなってしまった。言いたいことを詰め込んでいたから支離滅裂かもしれない。
学生時代の音楽史の断片
年度が明けた。ついにニートになってしまった。専門学校の生徒という身分ではあるけど明確な学生証もない。僕は大学受験浪人のとき明確に浪人は1年だけして受かったところに行くと決めていたが、今回は公認会計士試験に受かるまでどこにも行けない。だから本当に僕自信の心持ちとしては完全にニートです。そのくらい自分はどうしようもない立場なんだと追い込まなければ勉強しない気すらしますね。
とすれば一旦は昨日で学生を終えたということになります。僕はこれからも音楽を続けていくつもりですが、学生時代に始めてからずっとやってきた音楽、作曲、録音の集大成として割とウケやすい作品を作りました。ぜひお聴きください。
https://www.youtube.com/watch?v=YhFxiCe-L5Q
これを作ったのも浪人が決まった高3の春だった。マンドリンを買ったからケルト・クラシックっぽさのある何かを作りたいってなって、その時ちょうどポケモンが懐かしくてやってたり友達とゼル伝やってて音楽が好きだったから作り始めた。その時はフルートとかは大学入ってからの友達に任せようかなと思ったけどフルートという楽器が好きすぎて合格したら自分で買って始めちゃった。
こういう多重録音1人オーケストラみたいなのはその頃見てた数々の動画にも触発されてる。いくつか語らせてください。
・「『夏影』をいろんな民族楽器で演奏してみた」
https://www.nicovideo.jp/watch/sm21720270
高3の夏に友人にアニメのAirを見せさせられてそのBGMのピアノのメロディの美しさに心打たれた。僕はもともとニコニコ動画大好き人間だったのでこの曲は「松岡修造が受験生を応援する」みたいなMAD動画のBGMに使われていて聴いたことはあった。それでいろんな人のアレンジを聴いていてたどり着いたのがこれ。その頃の僕はケルト音楽にもどっぷりハマっていたためバグパイプ・イーリアンパイプスにメロメロだった。加えて僕の大好きな12弦ギターがこうも贅沢に使われているともうそれは毎日10回くらい聴いていたのも不思議ではない。当時こういう概念は知らなかったが、それらのパイプやインドのシタールなどに代表されるようなドローンという、同じ低音をずっと鳴らす手法をツェッペリンかビートルズかなんかの曲で聴いてそこに広がる宇宙を"回る"ような感じに惚れていたんだと思う。たった1つの音なのにそこに無限の広がりを感じさせるってすごいなって思う。僕だけかもしれないけど。現代の音楽の流行がミニマルな方向に行ってるのもそこに何かしらの広い音像を求めてるからなのかなとも思った。
大学入ってからちょっとだけいたケルト音楽サークルで初めて本物のイーリアンパイプスの音を生で聴いて涙が落ちそうになった。けど合宿先で目覚ましでそれ鳴らされたときはうるさくてへし折りたくなった。
オタクはジャズやバカテクメタルみたいな音楽に行く傾向があるみたいだけど、ケルト人口もそれなりにいるとおもう。まどマギのBGMや主題歌も確かケルト風だったし、今回先程の動画取り上げたゼル伝時のオカリナの城下町のBGMもそうだ。ケルトやそれに近いアメリカのブルーグラスではジャズやメタルに引けを取らない超絶技巧をこなす名手もいる。それでいてメロディは親しみやすいのだからこの音楽が好きなオタクは一定数いると思う。そんなオタクが集まるニコニコ動画でなんでこの動画がもっと伸びないのか不思議でたまらない。
・Super Mario World: Overworld Theme Song - Adam Mormolstein
https://www.youtube.com/watch?v=0nAnDVU_3BA&hd=1&ref=pc_watch_description
リンクはYouTubeだけどこれももともとはニコニコ動画で見つけたもの。高3のときはプログレ5大バンド卍キッズだったので狂ったようにYesやELPを聴いていた。その時Yesのギタリストスティーブ・ハウのソロギターに心酔し、高3の夏を費やして彼の"Clap"という鬼のように難しい曲を習得した。YouTubeにも演奏動画あげた。出来は全然だが。それからというもののその曲のようなカントリーのソロギターを涼しい顔でこなせたらかっこいいだろうなと思うようになり有名所ばかりだがチェット・アトキンス、トミー・エマニュエル、マール・トラヴィスをよく聴いてコピーしようとしたがだいたい挫折した。そもそも採譜に多大な時間がかかりすぎる。これらの人の演奏するカントリーギターはギャロッピングと言われる、跳ねるようなベースの音を低音側の弦で弾き、メロディを高音側で弾くという奏法だから採譜が2楽器分ある上その2楽器を一つの楽譜に起こすとなると書きづらいわ見づらいわで。そんな中コピーした数少ないソロギター曲の1つがこれだった。上記の4人のものではないけど。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm7516145
でこの曲もいろんな動画を探していたら上のAdam Mormolsteinの動画にたどり着いた。カントリーではあまり使われないがこのグロッケンが良い。グロッケンとかリコーダーっておもちゃの楽器のような(個人的な意見です)音で小学校でやるからなのか、少しバカにされていると言うか過小評価されていると思うんだけど本当にシンプルで綺麗な音が出せる素晴らしい楽器だと思う。ジェスロ・タルやペンタングルの影響で中世ヨーロッパのいわゆる古楽を聴き始めてから僕はひたすらリコーダーとグロッケンの良さを友人に語る気持ちの悪い人間になっていた。自分で木のリコーダーも安物グロッケンも買っちゃった。
あとついでだけどこんな動画も見ていた。プロのラグタイムピアノ奏者が初見のゲームの曲を渡され弾くというやつだ。他にも色んな曲やってるから見てみてほしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=JZMroQOtS_U
・Mike Oldfield - William Tell Overture
https://www.youtube.com/watch?v=tahINCwwfks
僕はマイク・オールドフィールドになりたかったのかもしれない。音楽性は違うところもかなりあるが通ずるところも多い。それだけでなく、一人で何でもできるしギターもうまいが彼はギタリストというよりは音楽家であると思う。僕もギターはそこまで弾けないが、それでも人を感動させられるすごい音楽を作れるような人間になりたいと思っているし、自分の音楽の世界へのこだわりに関しては彼のような姿勢を一番尊敬している。その姿勢を僕も軽音で貫き通したと思っているし、その成果はそれこそ3年の夏合宿でやったMike OldfieldのTubular Bells Part 1で現すことができたと自負している。
僕はもともとヴァイオリンをやっていたのでクラシックがある程度好きでよく聴いていた。詳しくはないけど。この曲はゲーム音楽ではなくもともとクラシックの皆さんご存知の曲なのだけど、アレンジも使っている楽器もまた彼がケルト音楽が本当に好きなんだなって感じさせますね。なんかケルトの人マルチプレイヤーが多い気がするけど気のせいかな。前入ってたケルト音楽サークルでも笛色々できたりとか弦色々できたりみたいな人多かった印象がある。
なんだかいろんな音楽の知識をひけらかしてるみたいになっちゃったけど、ただ単に広く浅く雑食なだけです。
とまあこういう動画を当時ひたすら見てて憧れがあってそれをようやく形にしたという感じですね。一度Garagebandで大2くらいのときに結構制作を進めたんだけど、やっぱり使ってる機材もあまりよくなくて録音が思うように行かなかったり編集が難しかった。それで大3だったかいつだかにそれの延長とも言えるLogicを購入してちょくちょく撮り溜めてたんだけども、あまり家に帰らないし家で楽器弾いてるときは大体音取りだから録音する時間もそんななく、気づけば大学生最後の日までかかってしまいました。Logic買ってよかったなあ。作曲はTuxguitarでやってあとは外バンでどっかのスタジオで録音すればいいだろと思ったけど、外バンができないもんだから宅録を始めようと思い立って先輩におすすめしてもらったのがLogicでした。
そんな風にTuxで作って歌詞まで書いたけど実際には録音してないっていう曲が山ほどあるのでこれからちょくちょく録音してYouTubeとかに載せたり、良いものが出来上がってきたらサブスクも視野に入れようかなと思っています。
さすがにこの身分で学生時代のようにひたすら音楽だけやれるわけではないので、勉強の合間の休憩時間とかをうまく使ってモノにしていけたらなと思うので、これからも雑魚の音楽家秋葉龍をよろしくお願いいたします。
感じる癖
こんばんは。周りの人たちに触発されてブログ作りました。
僕は思ったこと考えたことはつい言ってしまいたくなる人間なので、人との飲みやTwitterでそれをタイミングを見図ることなく結構喋ってしまいます。だけど僕は同時にシャイな人間でもあるので自信がないことには言えなかったり、言っても見切り発車で着地できなかったりする。それにTwitterだと字数も少ないから、ある程度字数が必要な文章を載せる場ってやっぱり、一昔前に流行ったブログなんじゃないかなと思って前々からやろうと思ってて、この春からあまり人に会えなくなるからこういうところで自分を発信していけたらなと思って始めました。
僕は人より考える力が劣っていると自分で思ってます。普段の生活でも後先考えないから家出る直前に準備したり大学の単位最後まで残したりするし、楽器の練習や勉強でも頭を使って取り組むっていうのがどうしてもできなくて、直感で物事を進めがちな気がします。何事においても思考より感覚で進めてしまう「感じる癖」がついてるって感じ。大学生活を通じてそれをやっと認識して自分の中で考える癖をできるだけ身につけようとやってきたのですが、それでもやっぱり人並みには追いつけないように感じます。だからこれからの生活の中で感じたことを、自分の頭で考えてここで精一杯言葉にして人に伝えることで「考える力」を身に着けたいなって思います。
と結構堅苦しい始まりになってしまいましたが、僕の人間観とか世間で起きてることに対するコメントとかそういうのばっかりじゃなくて、いいと思った音楽自分の作った音楽とか旅先での思い出とか好きなこと書いていこうと思います。あんま人に言ってない自分の黒歴史とかについても語ろうかな。誰に話しかけるわけでもないので丁寧語だったり雑な独り言だったりします。気分でやるので更新頻度とかもどうなるかわかりませんが更新したらTwitterに載せるので暇なときに読んでくれたら嬉しいです。
さて、ここから何かお試しで自分の好きなこと書いてみましょうか。
ブログ始めようと思ったきっかけが、大学生活を振り返ってあのとき自分が何を思っていたのか伝えたいという思いつきだったのでそれについて書いていきます。
僕の大学4年間は1年、2年、3年、4年それぞれでかなり違う意味合いを持っていると思う。人として好きな先輩尊敬してる先輩はもちろんいるけど、基本的に僕は後輩のほうが好きで絡みやすくて仲良くしがちなので、新しい人が入ってくると新しい人間関係ができて、その年度の遊びとか音楽とかの内容が変わってくる。のでそれぞれの学年でまとめていきます。
大学1年
一番調子に乗ってた。っていう人は結構いると思うけど僕の場合それが甚だしかった。浪人してたから高校同期の自由な生活を横目に見ててウズウズしてたし、今まで男子校だったから女性との人間関係にワクワクしてた。バンドも高校時代軽音部作ってもらえなかったから思いっきりカッコつけてやろうとしてた。楽器やってる高校の友達があんまいなくて「俺世間的には結構ギターうまいんじゃね?」なんてめーちゃくちゃ思い上がってた。酒にも強ぶってたし、高校までの「だめないじられキャラ」を脱却して「クールなロン毛のデキる奴」になろうとしてた。それが早速失敗して新歓合宿で泥酔して運び込まれたのが先輩女性のベッドだった云々の話は今でも申し訳ないけど今でも笑えます。
選んだ団体は先輩の演奏に惚れたのとコンパでの雰囲気やノリの良さとで軽音楽部、自分の音楽的素養のためと友人が入るから、あと部室を365日使えるようになるからというのでジャズ研だった。他のハンドサークルと迷ったけど今となってはいい選択をしたと思ってる。であと途中から他大のケルト音楽サークルに通いだして半年くらいいたけど遠いのがだるくてやめた。それで半年くらいしたらやっぱりどうしても僕のポンコツっぷりは隠しきれなくてイジられるは批判されまくるわ。ロン毛についてだんだん悪口言われ始めたのもこの時期か。
ジャズ研では結構イベントを企画したりみんなとよく喋ってたので再来年部長とかやれたら就活に使えるんじゃねみたいな取らぬ狸の皮算用もしてた。バカだなあ
このころから自分の曲をライブとかレコーディングしたいと思ってたので外バンも入学当初から両サークルの人脈とか使ってめっちゃ人探してたけど、今に至るまで合う人がパート全部揃った試しはないです。
学業は1年が一番ひどくて秋冬6単位とかだった気がする。親に最初GLP目指せとか言われてたので、成績をスクショしてペイントで数字をごまかして親に見せてた。バイトは高校まで通ってた塾に行ったけどロン毛が許されずクビ。懐かしいね
大学1年は本当にガキンチョだったと思う。高3の頃とかは「中学時代に比べ俺大人になったな〜」とか思ってたけどそんなのはあの閉鎖的な高校の世界で普通に生活できる人間になっただけ。国公立といういろんな層のいろんな人が出入りする場所は僕にとって本当に良かったと思う。世間一般の感覚(金銭感覚とか)が結構身についた。
大学2年
軽音では今となっては仲いい人ばっかの学年が入ってきた。初めての後輩ができたのもあってこの年も結構いわゆるイキってた感じだったな。あの先輩すげーって慕われたくてバンド練休憩時間中に難しいフレーズ弾いたりしてた。この年から軽音ではやたらバンドを誘ってもらえるようになったのでそれもあって鼻高々だった。それをきっかけに練習量が圧倒的に増えたんだけど、高校までの自分になかった概念、例えばバンド全体のサウンドスケープやクリックを使った練習とか音楽理論とか、それらを大学1年の間に色々知れたのとヴィンテージの335買ったのとで練習のモチベは結構高かった。一橋祭定演あたりから自分の演奏でだめなところをはっきり認識できるようになった、バンド演奏そのものに対する意識が変わってきた時期だったとも思う。
イキリキャラみたいなのが下半期くらいから結構言われだしてこの頃軽音の人たち全然仲良くなかった。ってのは言いすぎかも知れないけど、それに自分のやってる音楽の良さをわかってくれる人がほとんどいない気がして、もう軽音をやめてジャズ研と外バン探しに絞ったほうがいいんじゃないかって本気で考えてた。これは僕が勝手に思ってる軽音あるあるの「思春期の2年」ですね。
この年は軽音もコミットしてたけどジャズ研にかなりどっぷりだったかも。夏とかは旅行で空けてる友人宅で他の友人とルームシェアしたり、布教してプログレ仲間ができたり、口調とかジョークの方向性が完全にジャズ研だったり。陰キャオタク街道まっしぐら。夏休みルームシェアでずっとゲームと麻雀してたの楽しかったな。そのときやった友人の昔のゼル伝のデータの主人公の名前が「うんこオゾンさま」だったの大学で一番笑った。ジャズに関してもようやく自分でdigってCD買ったりソロコピーしたりしだして楽しくなってきた。iRealも買った。
就活もゼミも何も考えなくて一番楽しめる学年っていうのは本当だったんだね。僕は結局ゼミも何も考えずすんだけど。金髪ロン毛もう一回くらいやりたいな。
大学3年
軽音では新歓期を経て人から褒められることが多かった。というか今までそこまで仲良くなかった同期からの人間的評判が急に良くなった。これはうぬぼれではなく実際に嬉しい言葉をたくさん頂いたし遊びに結構誘われるようになった。イジられることに対する抵抗が全くなくなってて、クールなキャラじゃなくてこんな感じで仲良くできるのが一番幸せなんだなって気がついた。2年の後半やめようか本気で考えていたがこれがあったから続けようと思えた。後輩に関してはやっぱり自分たちが幹部として新歓した代ってどうしても可愛くて、めっちゃ囲って飲み会開いてた。そしたら僕以外9人全員食中毒でダウンしてて、改めて秋葉家の胃袋の強さを実感した。この年は僕と仲いい人たち同士の人間関係が変わったので僕はどう振る舞えばいいか不安になったけど、僕は何も考えず生きてるからずっと中立でいられたのもあって結局あまり振る舞いは変わらなかった。
音楽面では、この年から毎回軽音で持ち込むバンドは「何かしらのテーマに挑戦する」と決めていた。1曲24分のMike Oldfieldを合宿でやりきって後輩がその良さを感じてくれたのがそれまでの大学生活で一番嬉しかった。でも他の人の持ち込みで雑だったやつもまだあってかなり後悔してる。ネットに落ちてるコード追って弾くやつもあったた。ジャズではようやく基本的な音楽理論を理解してきてアナライズができるようになった。実践まで至らなかった部分も多いけど。
年末ころからの就活はもう後にも先にもこんな嫌な思いはしたくないという気持ちでいっぱいだった。12月にあんなに長かった髪を切らねばならなかったし、興味もないテーマについてディスカッションさせられるし、身近なとこで周りの就活マウント合戦が始まるし。就活してて楽しかったの都内のラーメン屋行けたことくらいだな。親にもひたすら就活の進捗聞かれるしどこにいても息が詰まる感じだった。それでもどうしても軽音とジャズ研が好きなので全イベントフルコンしちゃった。あとついでに免許取りました。
大学4年
喜怒哀楽が本当に激しかった。まず夏まではずっと就活。4年になって本格化して来る日も来る日も泣きそうな気持ちだった。最後の方は本当に泣いてた。周りの人が俺内定出た〜とか明日本面接なんだよねとか言ってる中全然その段階にいなかったりして、友達に相談したらお前それヤバイよって言われそうだしでも親に相談すると絶対親の希望を押し付けられるし、孤独な戦いだった。6月からの本面接ラッシュも好感触そうなところも全部空振り、最終まで行ったところもなし、超ポジティブ楽観的人間の僕でも人間を否定されてる気がして自分にも御社にも嫌気が差してた。自分を切り刻んでその欠片をなんとか届けようとしているのに軽くあしらわれては無理もない。一旦御社の手札が全部なくなった日は夜寝ずに酒1瓶とタバコ1箱空にするという久々のイキリ大学生をかました。泥酔してなきゃ就活がやってくるような気がして。
そんなときでも軽音ジャズ研ともに行ってて特に軽音はいつでも労ってくれて、人によっては個人LINEで心配してくれたり飲みに誘ってくれたり心の支えだった。社会で軽音だけが信頼していい場所で、他は全部気持ち悪い人間しかいないとまで思ってた。
7月になってもう2次、3次募集の手札の最後の1枚を翌日に控え、親から卒業後公認会計士の勉強をすることを勧められていたとき僕は友人とCaravanの来日公演に行った。そこでそれぞれの就活の話をして「明日行くのやめるか!」なんて冗談で言ってたけど、Caravanが良すぎて翌日行きたくなくて、家帰って本当に翌日行くのやめて就活やめて、公認会計士試験の道を行くことを決めた。パイヘイスティングスに僕の進路決められたと言っても過言ではない。
そこからはもうただ、残された僅かな時間で最高の音楽を残すことだけをひたすらに考えた。軽音では魅せるショウ、聴かせる音を作ることに執拗にこだわった。組んだバンド数の差もあってジャズ研は軽音ほど注力できなかったけどこちらもできる最大限取り組んだ。4年になってからdig用にサブスク音楽サービスを始めたのもあってやりたい曲やりたいテイクがどんどん出てきて、1年の頃作曲の要素や理論の素養として門を開いたジャズはいつの間にか大好きな音楽になっていた。
正直就活は嫌で嫌で仕方なかったが、大学生活で一番幸せだったのは4年かもしれない。音楽面でもかなりいいものを残せたと思っているし、軽音ほとんど全員の人と遊んで仲良くなった。イジれるロン毛じゃなくなった僕もみんな愛してくれた。レジャー面も充実してた。沖縄に九州に中国に四国に色んな所に行き、鍋二郎流しそうめんワカサギ釣りなどなどをし、未開拓の店にたくさん行った。どちらのサークルも、後輩好きとは言え4年と1年ほど年齢差があるとひ孫のように他人に感じそうと思っていたがとんでもない、キャラの立った面白い人達ばかりでいつの間にタメ口でツッコんでくれるほど仲良くなっていた。僕以外ほとんど1年みたいなバンドすら誘ってしまった。
自分の作ったものに唸る人がいる、自分の言ったことについてきてくれる人がいる、自分がいなくなるのを泣くほど寂しがってくれる人がいるってのがこんなに幸せなことだと初めて知った。僕は中学の頃いたロボットクラブでろくなやめ方しなかったし、高校のクラスとかは個人個人で仲良くても全体は仲良くないし、団体で絆を育み最高の仲間とともに卒業する、という経験が全くなかった。初めてこんなにも「チーム」を愛した。普段くだらないことばっかりしてるし問題ばっか起こすけど人のことをちゃんと見てみんな対等に接してくれる、軽音もジャズ研も最低で最高なサークルだなって思った。
あとなんかこの年ダイエットめっちゃ頑張った。週2〜3でプールに行き毎日筋トレとカロリーと糖質制限、タンパク質を摂ってよく寝る、水1日2リットルなどなど考えられることは全てやった。1年で10kg痩せた。1年で52単位取った。やる気になれば人間なんとかなるもんなんだなって思った。成功と失敗をどちらも体験した濃い1年だった。
という4年間でした。ここだけでは拾いきれない思い出も感情も沢山あるし、4年って長いようで短い、ようで実は結構長くはないですか?楽しかったことを振り返れば短く感じるけれど、人が変わるのに4年って十分すぎる時間だと思うんですよ。人に褒められたときの正しい反応がわからないとか、いつまでも居酒屋でメニューを決められないとか4年で変わらなかったとこも多いですが、僕は僕なりにしっかり成長したと思っています。
本当に僕を成長させてくれたかけがえのない友人たち、環境を提供してくれた両親、そして愛する街国立には全員に手紙を書きたいほど感謝しています。本当にありがとう。
と、ちゃんと考えて文章を書けたかは来週あたりに冷静に読み返してみないとわかりませんが結構赤裸々にこういう思ったことを書いていこうかなと思います。
駄文ですがありがとうございました。
