焼酎を飲もうよ

お久しぶりです。コロナ禍×勉強の生活というのはとにかく今までの生活に比べて活動の幅が狭まるもので、何か長々と書くに値する考え事や出来事がそうそう起こらないので(あっても全部作った音楽でばかり示そうとするので)せっかく開設したこのブログも1年以上間を空けてしまいました。

この間に変化したことといえば僕が念願の、自分たちの曲を演奏するバンドでの活動を始めたことと焼酎への愛を一段と深めたことです。前者に関してはもう、各種SNSで常日頃から宣伝しているのでセルフRTにはもう見飽きたという方も多いと思いますので今日は焼酎に関して語っていきたいと思います。

 

少し前置きを話させてください。

もともと僕は焼酎が好きな親父と焼酎を飲んでいてもアルコール感が強くてどうも苦手だったのですがその場にいる人のおすすめを飲んでいるうちに大学4年ころだったか、いつのまにか芋焼酎が好きになっていました。良さがわからなかった名盤を我慢して聴いていたら大好きなアルバムになるのと同じ。以降旅先でご当地焼酎を買ってはその晩に楽しむのが醍醐味だったのですが今から1年半ほど前、何がきっかけだったのか覚えていないのですが普段ほとんど飲まない飲んでも外食時か鍋のときビールを1杯ほどだった我が家で突如晩酌文化が始まりました。

しばらくはネットで僕と父が飲んだことのあるものの中で良かったものを注文していました。しかし去年の9月ころから僕は健康のために1日8,000歩歩く生活を始め、数週間後に最寄り駅の近くにぽつんといい雰囲気の酒屋を見つけました。これはと思い(親の金で)良さそうな焼酎を買ってみたところどれも非常に美味く、それ以降その店で買ったり他の酒屋を近所で探したりあるいはネットや本で美味そうなものを見つけて購入したり、僕の焼酎ライフが始まりました。その中で本当に良かったと思うものをいくつか紹介していこうと思います。基本僕はロックたまにお湯割りで飲むので他の飲み方のおすすめなどはわからないのと、ちょくちょくうんちくが間違ってたりするかもしれないのはすみません。あと麦は基本好みでないので悪しからず。1~6は一升瓶もあります。

 

1.大自然

2.一刻者 白(限定品)

3.八重桜

4.青潮

5.赤山猪

6.農家の嫁

7.八千代伝 Mahler

8.栗極

 

1.大自然林(シロユタカ/白麹)

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この1本で芋焼酎に目覚めたと言えるほど思い入れのある1本です。これは先程言ったまだ僕と父が飲んだことのあるものをネット注文していたときに父が持ってきたものなのですが未だにこれが芋の中では個人的1位かもしれない。一刻者や三岳といった王道の昔からある芋焼酎はもちろん好きなのですがややアルコール感が強く感じるというか、焼酎が苦手な人にとっては苦手なんだろうなという風味がしますが大自然林にはそれがなく、それでいて芳醇な芋の香りも芋焼酎らしい深みも味わえるという一品。いわゆるフルーティー系ですがどっしりしていて飲みごたえがあります。口に入れた瞬間から後味までじんわりと味が広がっていく感じがたまりません。つい先日飲んだ「山雀」とおなじシロユタカという本当に真っ白な芋が使われており、山雀を開栓して嗅いだ瞬間に大自然林の香りを思い出しました。この2本には他の芋にはない独特な香りがするので今後シロユタカ使用の焼酎にはもっと注目していきたい。同じ酒造で黒麹仕込みの「水ノ森」も甲乙つけがたいほど美味しかったのでおすすめです。

 

2.一刻者 白(ジョイホワイト/白芋麹)

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「ここのスーパー結構焼酎あるよ」地元の友人に教えてもらって早速行ってたまたま手に取って当たりだった1本。一刻者といえば麹まで芋の完全芋焼酎で黄金千貫の通常カラー、紅芋の赤、紫芋の紫などが有名ですがこの色もジョイホワイトという芋も初めてでした。先程1で言った他の一刻者にありがちなアルコール感や飲みにくさは弱くにスッキリ飲みやすい上に、芋らしい芋の香りがこれでもかと言うほど押し寄せてくる。普通焼酎の麹って米が多いのにこれは芋の麹使ってるからなのかな。柑橘系の香りという宣伝文句はいまいちピンときませんでした(オレンジ芋系やフラミンゴの方がよっぽど柑橘な気がする)。

期間限定品らしく店頭で扱ってる時期は限られていましたがネット上では普通に売ってたりします。

 

3.yaezakura(ハマコマチ/白麹)

www.e-sakaya.com

最近は色々凝った製法の焼酎がよく出ていて日本酒酵母で作ったとか、ウィスキー樽で熟成させたとか芋の種類だけでなく他の酒の製法を取り込んで独自の味を追求している酒造をよく見ます。その中でもこのワイン酵母仕込みは最もしっくり来る上にオリジナリティもあり、焼酎とワインどちらのアイデンティティも失わず楽しめる1本です。芋の香りを損ねることないどころかむしろ強めで、同時にワインの酸味と渋味が舌に染みるように広がります。ハマコマチはオレンジ芋の一種でいわゆるフルーティ系なものが多く物によっては紅茶や花のような香りがする(茜霧島のタマアカネなどが有名)のですがやはり果実酒のワインとは相性が良いのかもしれません。

 

4.青潮(黄金千貫/黒麹)

www.imoshochu.com

暖かくなって来た時期にこの涼しげなソーダ瓶のような色のボトルを地元の行きつけの酒屋で見つけジャケ買い。バランスが良く、控えめな甘みと辛味が等しく共存するような味わいが大変好みです。芋の香りは他に負けず劣らず強いのに優しくて、モワッと口に広がって残るというより強い香りがスッと駆け抜けていくようなほどキレが良いため「何だったんだ今の夢のような一瞬は・・・!?」という後味は爽やかだけどその一瞬を追い求めてしまってグイグイ飲めちゃう。

度数が高めな荒濾過の方も飲んで、より力強い味わいでこれまた美味しいのでどちらかお好みな方をどうぞ。

 

5.赤山猪(紅紫芋/黒麹ゴールド)

kidosaketen.com

紅芋も紫芋も有名だけど紅紫芋って赤山猪でしか見ないし調べても出てこないから同系統でdigれなくて困る。ひょっとしてブレンド?という話はさておき、この焼酎、甘いです。思いっきりサムネに辛口って書いてあるし確かに口に含んだときのピリッとした感じはあるけどその後に来る、フルーティ系とは真逆の深く土臭い甘みがとても印象的。紅芋や紫芋は割とフルーティ寄りなイメージがあったのですが、一般的に白麹より重めでコクがある黒麹(ゴールドがより強いのかどうかはよく分かりません)を使ったからでしょうか。芋ではありますがこの独特な甘さは後で紹介する栗極と似たようなものを感じます。シロユタカ×黄金千貫の通常の山猪の方はまだ飲んだことがないので今後機会を伺って試したいです。

 

6.農家の嫁(黄金千貫/黒麹)

www.urano-saketen.com

焼き芋焼酎です。普通は蒸した芋を発酵させるのに対し焼き芋焼酎は本当に芋を焼いて発行させるらしいです。焼き芋焼酎は既にやきいも黒瀬でデビューしていたのになぜか他のには手を出しておらず、この酒造の看板の明るい農村も飲んだことがあり農家の嫁の名前もおそらく結構有名で知っていたのになぜか飲んでなかった。焼き芋焼酎って本当に「これは確かに焼き芋だ」ってなるんですよ。甘み?でも甘みある芋焼酎も他にもあるし・・・焼けた香ばしい香りが違うのかも。なんか飲んだときに焼き芋が手元にある絵が想像できて、粘り気があって繊維がぼさぼさしてる感じが口の中で感じられるんですよ、液体なのに(とか言って全然焼き芋じゃないマルニシ製ベニハルカでも同じ焼き芋感は感じた)。焼き芋歴は浅いですが農家の嫁は香ばしさが際立っていて、芋焼酎における芋の香りを期待するとちょっと違うかもしれませんが大変美味しくほんのり甘くてスッキリしているので飽きずに飲めるタイプです。やったことないけどお湯割りでこの香ばしさは極上のものになるかも。

 

7.八千代伝 Mahler(ベニハルカ/白麹)

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芋焼酎は味変する。僕はそう確信を持って言えます。今まで焼酎を買ってきて、特に一升瓶だと開栓から飲みきるまで時間がかかるためか時間の経過で味が変わっていきます。この現象について調べたことないので詳しくはわからないのですがワインや日本酒みたいに酸素に触れるから・・・?でも焼酎はそれで劣化したものは1,2本くらいしか覚えがなくむしろ美味しくなったか違う良さが湧いてきたかのことが大半です。このMahlerはその中で最も化けました。これに使われているベニハルカという芋は他でも飲んだことがありひときわ強い甘みが特徴的で、最初これを飲んだときは「おお、甘みだけではないベニハルカの良さ(渋み・香り)も現れている上品で奥の深い酒だな」と思っていました。ところが5日目なんとなく蓋を開け香りが鼻に入ってくるや否や驚きました。まるで濃縮された蜜のようなんだけど少しツンとした香り。実際にグラスに入れて飲んで見たら味もその通り、甘さ・渋みと酸味がギュっと濃縮された、まるで芋を手で絞ってひねり出した蜜を飲んでいるような(出ません。イメージです)濃厚な味わいでした。

本当に限定品らしく毎年6月だけ販売らしいのでネットでも在庫切れ多数。一升瓶はありません。

なお八千代伝は以前ベニハルカの吊るし芋を使用したものも大変美味しかったのでおすすめです。吊るし芋食べたことないけど

 

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8.栗極(栗/白麹)

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ここまでずっと芋できましたが栗や黒糖も好きで、僕のベスト栗をここで1本。超濃厚です。これ以前に飲んできた栗は確かに優しい栗の香りだな〜と感じられるくらいの物が多く、栗を初めて飲んだときはこれ栗ですって言われなかったら多分分かんなかったと思います(僕が舌バカだからかもしれませんが)。同期と以前いった旅先の高知で特産のダバダ火振を飲んで以降、芋みたいに物によって全然違うのを期待して栗を何本か探していたのですが意外と差はなく何か良いのはないかなと思っていた時に地元の酒屋でこれを目にしました。宣伝文句には栗をふんだんに使用(正確には覚えてないけど通常の5倍とか?)とあり、値段はちょっと高めだけど店の人からのお墨付き。限定品とあるしせっかくならと思って買って飲んだときは衝撃でした。これは初めて栗焼酎を飲んでも栗だと言える。栗のモサモサした土臭い甘みと香りが洪水のように押し寄せます。初めて飲んだときほろ酔いで、僕の持論だと3杯目以降は舌が鈍ると思っていてその時5杯目くらいだったのですが感動のあまり酔いが少し覚めました。

一升瓶はありません。限定品と言いつつかなり長い間店やネットで確認できていますが、買えなくなるかもしれないと思うと怖くて怖くてたまりません。

この1本は好きすぎて少し買いすぎないようにしています。本当に今飲んでも全く感動は色褪せないのですがいつもいつも手元にあるといつかありがたみがなくなって飽きてしまうかもしれないと思い少し距離をおいて、あー栗極飲みて〜〜〜!となったら買うくらいにしています。僕にとっては大好きなアルバムばっかりを聴きすぎないようにするのと同じです。またこれを見つけたとき少し悲しかったのが今までの栗焼酎が、旅先で飲んだものすら霞んで見えてこの先もこれ以上の栗はもう見つけられないだろうなと思ったことです。最近ダバダを久しぶりに飲んだらいや全然これもまともにうまいわと思い、地元にしか置いてないどマイナーな40度の栗を試しに買ってみたら栗極ともまた違った濃厚な良さがある1本だったので少しホッとしています。その栗についてはまた今度紹介できればなと思います。

 

 

 

 

 

と、焼酎新規勢の僕が選ぶ焼酎8選を紹介させていただきました。ちょっと長すぎるので紹介できなかった1本や今後良いと思った1本、ユニークな1本、同じ酒造のシリーズでの比較などまた記事にできたらしていこうと思います。麦焼酎も同じ要領で好きになれたらかなり幅が広がりそうだな〜

さようなら、すべてのエヴァンゲリオン

ネタバレはしないです。シン・エヴァンゲリオンを見たので感想を雑然と喋らせてください。

感想も見ずに行きたいという人はお閉じください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一部の人には納得行かないかもしれないけどエヴァンゲリオンとして迎える最後としてはベストな形だと僕は思います。こうあってほしいという僕の期待通りにはならなかったところも、今後活発化する考察動画やサイトが無いと理解できない部分も正直多いけれど、全部期待通りだったら予定調和過ぎて面白くないし、あの作品を観ただけで完全に理解できるようにするには長ったらしい無粋な説明必要になるのであの形で僕は大満足しています。

 

しかし本当に終わってしまった。あの作品を終わらせやがった・・・。

実は僕が初めて見たアニメはTV版のエヴァなんです。ポケモンとかドラえもんをカウントしなければですが、いわゆるオタク向けのアニメに触れて他のアニメを見るようになる切っ掛けになったのがこの作品でした。見たのは確か高1の頃とかで、それまではアニメが嫌い側の人間だった。中学までの僕の嫌いな人何人かがみんなアニメ好きな人だったから坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、「実写の方が絶対いいだろ、アニメ見てる人間キモいな・・・」なんて思い込んでた。それに両親もおそらくそう思っている節が(たぶん今でも)あったのも大きいと思います。けど高校から仲良くなった人達もこれまたアニメが好きな連中が多くて、彼らの話とか当時見てたまとめサイトとかニコ動の実況とかでエヴァの話を聞いて、なんとなく調べてたらもうアスカが可愛くて可愛くてときめいてしまって、流石にこれは見たい・・・と思って見始めた。「キモい」なんて思ってたというか思おうとしてた割に自己矛盾してるんですよね。

それで見てからはアニメの魅力に気づき、今に至るまで色んなアニメを見てきました。といってもせいぜい20作品程度だと思いますが。氷菓CLANNADコードギアスなどなどどれを見ても終わったときの喪失感というかどうしようもない寂しさはあってしばらくそれを引きずっていたのですが今回はかなりそれが大きい。後悔も不満も全く無いのになぜか心が晴れない、けれどその陰りすらも愛おしいという不思議な感覚。

なんせ自分の趣味の1つであるアニメの原点だしその分見ている当然期間が長いし、数少ない(最後だけ一応)リアルタイムで見れた作品だし。思い入れの大きさと本当に終わるんだという実感、そしてこの先一生生きてもこの感動を超える体験に出会える気がしない感覚からか、見る前も見た後も1年前の追いコンのようなものを感じました。

 

今回はいつにもまして散漫としたただの自分語りですがお許しください。

身内で見てくれる人もいるからネタバレ書けるわけでなし、あまりにも心揺さぶる作品をぶつけられて何も考えられない、けれどこの感情を何らかの形で吐き出さないと気がすまないという状態なのです。

白鳥は踊り狂い、薔薇は咲き乱れる

生活の中で自分が感じたではなく考えたことを書こうといていたものだけどいつの間にか作った音楽について語るブログになってしまっている気がする。ですがここでも報告させてください!

 

私、秋葉龍の1stアルバム"Swans Dance, Roses Bloom Like Mad"をリリースしました!!!!!!

 

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Swans Dance, Roses Bloom Like Mad

Swans Dance, Roses Bloom Like Mad

  • Tatsu Akiba
  • ロック

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YouTube Music 

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上記各サブスクにて配信中です、近日中にCDも各所で販売の予定です!

 

いやぁ・・・やりやがったなコイツって自分でも思います。

いつもは曲を作った時寂しさが大きいんですけど、今は達成感のほうが大きいです。やっぱりYouTubeSoundCloudに曲単体でポンと置いて誰か聴いてくれるかなじゃなくてアルバムとして、サブスクやCD(予定)というオフィシャルな形で公の場所でより広範の人々に味わってもらえる嬉しさよ・・・

このアルバムは2つの意味で僕の悲願でもありました。制作の経緯を少しだけ語らせてください。

 

今から5年ちょっと前、一橋に一度落ちた僕は浪人していました。センター試験を間近に控えた11月頃だったでしょうか、センター世界史がどうやってもどうしてもどうにもなりませんでした。2次には使わないもののあまりに高校の頃の授業が好きじゃなくてセンターレベルでも苦手意識があって・・・

と、現役で他の大学に進学した親友Kに愚痴っていると世界史が得意で気のいいKは「センターくらいならまだ覚えてるし、俺がマンツーマンで教えてやろうか?」と。その優しさに僕は飛びつき毎朝2時間ほどだったかLINE通話で、Kは大学1年春休みの一番楽しいであろう時期にわざわざ早起きまでして教えてくれました。そのおかげでセンター世界史も問題なく無事大学に合格、そこまでしてくれたKに「何かお礼をさせてくれ」と言うと「じゃあ俺に1曲作ってくれよ」と。そんな・・・アマギフだとか飲み焼き肉奢りだとか求めずに俺の曲だなんてこいつはなんていいヤツなんだと思いました。Kは僕の誘いで高校の時からベースを始めていてよくお互い好きな音楽について語り合ってたり作った曲やフレーズを家でよく合わせたりしていたからこう言ってもらえたんですかね。

で、オタク趣味から離れ意識高い系おしゃれ大学生になりかけていたKに向けて、「クセのあっていい味出してたお前も落ちぶれかけているぞ」というメッセージと教えてくれた世界史にかけてKをイギリスと見立てて、ケルトやトラッド、プログレといった曲調で、Kを揶揄するような様々なキャラクターを物語に登場させて詞と曲を1ヶ月で書き上げました。普段よく厨二ネタで遊んでいたのでタイトルもしっかり香ばしく。構成や展開はジェネシス、フレーズや雰囲気はジェスロ・タルやイエスなどからの影響が強いですかね。Blitish Casquedeとかはゼルダの伝説、The Man Who Lost His Bagpipeなんかはクロノ・トリガーゲーム音楽のような味わいがあると思います。それらも僕の曲も古楽やトラッドフォーク由来のものですが。

Kはできたものを聴いて非常に感動してくれました。

しかしその頃は今あるLogicや機材を持っていなかったので全部フリーソフトのTuxGuitarの音源でヴォーカルもクラリネットで代用という、作編曲のクオリティはさておき音源としてはチャチすぎるものでした。そこで僕はKに「いつか素晴らしいメンバーを集めてバンドを作る。いつになるかわからないけどこの曲をレコーディングしてお前に届ける」と約束しました。

僕の個人制作になりましたがこの約束を果たし、先日できて最初にKに送り1つの悲願は達成しました。

 

僕はこの曲を書き上げた頃から特に自分の作曲能力には自信がありましたが、いかんせん音源が音源なので僕の曲の良さを知ってもらう機会があまりにもありませんでした。それに何回かトライしたもののなかなか外バンはメンバーが固まらず空中分解を繰り返し(最近は新たなメンバーで結成の動きがあります)で、なんだかくすぶっているような気がずっとしていました。僕の悪いところなのですが外バンや作曲活動を本格的にやっている人を妬ましくも思っていました。

で、去年卒業した後ゲーム音楽メドレーのあたりから宅録のノウハウを学びつつ自分の曲などを録音していきついにこの楽曲の録音に取り掛かったというわけです。自分の真の実力を発揮して周りの人間に吟味してもらいたい、という2つ目の悲願もここにて叶ったということです。

 

というのがこのアルバムの背景です。ジャケットを描いてくれたのは美術部と兼部している軽音の後輩です。以前一橋祭の展覧会で見た森の油絵が印象的だったので依頼しました。CD版は4pの紙ジャケ予定で表と裏で繋がった1つの絵です。内ジャケのデザインと制作は僕がしました。

承認欲求もここまで来れば大したものだと我ながら笑ってしまいます。創作意欲すべてを承認欲求の一言では片付けられませんが、人を感動させたいというのも人に認められたいというのと近い感情だと思いますし、大概の承認欲求は世間で言われてるほど悪いものではないと思います。

自己評価ってどこまで煮詰めても主観が入りうるから人の評価って参考になるじゃないですか。だったら主観なしで素晴らしいと認められるようになりたいって思うことって決して悪いことじゃないですよね。

とこの辺の議論は僕の中でもそこまで考えがまとまってないのでぼろが出る前に今回のお話は終わりにしておきましょう。

そうそう、チャチい音源ならいくらでもいい曲作ってるのでもう2ndアルバムの構想はできてます。今後とも宜しくお願いします。では。

世界に捧ぐ

ここ数ヶ月僕は自分が作って貯めに貯めてきた楽曲の数々を宅録と打ち込みで、あのちゃっちいTuxGuitarよりかはまともな音源にして発表するようになりました。芸術作品を説明することはやりすぎると無粋かもしれませんが、好きなバンドやミュージシャンのインタビューで作品の背景について読んでその環境や携わった人間について知るのって僕は結構好きなんですよね。そこで、僕はインタビューされる機会は流石にないから見たい人だけ見れるこういう場で、解説とまではいかなくても自分の発表した曲の作ろうと思った経緯や歌詞について綴りたいと思います。

 

1.Dominated Caesar

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 我が家の愛犬カイザーとドミナに捧げるカントリー風のソロギター。

4月からコロナ禍で外出自粛、旅行なんて到底行けないって日々が結構長い間続いてたもんで旅行欲を紛らわすためによくGoogleEarthで国内外の田舎地方をストリートビューで散策してた。そうやってイギリスやアメリカの田園風景を眺めてるときよく、カイザーとドミナ連れてギターでも弾いてのんびりしたいななんて思ってた。で、その頃追いコンビートルズノスタルジーでよくポールマッカートニーのソロやウィングスをよく聴いてて、なんとなくHeart Of The CountryのPV(ただ映像流してるだけかも?)を見てたらリンダとマーサを連れて田舎で遊んでいた。ポールもマーサへの曲作ってたし、Yesのスティーヴ・ハウが息子にClapというソロギターを書いたみたいに僕も書きたかった(しかもその頃のハウも確か今の僕と同い年くらい)から書いてみよう、っていう経緯だった。その経緯もあってメロディはちょっとポールっぽいしつなぎのフレーズや展開はハウっぽいように感じる。

2匹とも結構元気に走り回るけどよく寝転がりながら寂しそうな目をしてることがあるとことか、低く吠えた次には甲高く鳴いたりして忙しいとことかが自分で聴いていてもよく想像できる。ドミナはまだ7歳でカイザーはもう13歳だけど散歩でも家ででも年を感じさせないくらい本当によくはしゃぐ。ずっとドミナに対しては弱いけど。長生きしてほしいです

 

 

2.Home Alive (in the Summer)

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バンド形式の曲で初めてまともに録音した曲がこれとなった。元々は大学4年の夏に完成させた、国立の四季を描いた春夏秋冬4パートから成る23分の大作だった。

今年の夏外出はできるだけ控えてもやっぱり外に出ないと気がすまない人間なもんで、なんとなく国立から回収したチャリで地元を走り回ってみようと桐蔭のあたりをぐるぐる回っていたら本当にいい景色で・・・ずーっと広がる田んぼや畑、昔親父と何回も遊びに行った鶴見川のサイクリングロードを汗かいて風を受けながら突っ切るのは最高だった。けどやっぱりバンド練して空き時間にチャリで谷保体のプールに行って人と会ったりしたら飲みに行ったりするような国立の夏がないと思うとどうしても寂しかったから、去年書いたこの曲を聴いていたら夏パートだけでも自分で演奏せずにはいられなくなった。

AirのBGMや久石譲のような真っ直ぐ響き渡る切ないピアノというのが本当に好きでこの曲でも使った。そしてそのメロディを継承し歌が入り、ドラムやベースが徐々に小刻みに、そこから同じくそのメロディを転用したリフと歌によるハードロック展開。その暑苦しさから今度は台風のごとく荒れ狂ったり静まったりするプログレッシブな展開。そして最後は晴れて徐々に暑さを失い夏が終わる。原曲の中でも最も完成されたパートだと思う。

意図してパクったつもりはなくても無意識にパクってるのか、あとから聴いて結構似てるなって思うことがよくあって、自白してしまうとハードロック展開のリフはBarock ProjectのSkyline、プログレ展開の静まるところはフランク・ザッパのCity Of Tiny Lightsがこの曲では結構似てるなと思う。拍子とか使い所が違うから許して!

やっぱりこういうバンド形式の曲って僕が好きなバンドとかは特に、実際に音を出してセッションとかをしてるうちにメンバーでアイデアを出し合って練っていくもの。だからTuxGuitarで想定していたサウンドやフレーズの雰囲気が実際に録音してみると違ったりして録りながらこここうしてみたら面白そう、とか色々付け加えた。いずれこういう曲をレコーディングする日に向けてドラムや鍵盤の打ち込みやミキシングのノウハウをちょくちょく学んでたけど本当に難しい。これらに関しては特に今後もっと成長させたい分野ですね。

 

ここに書くと次の曲まで長くなっちゃうんで歌詞は記事の最後にまとめて全曲書きます。

 

3.Fake Brain / Pure Virus / Virus In Brain

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カンタベリープログレを自分なりに解釈した3部構成曲。

特に今年に入ってからの僕のカンタベリー熱の高まりのあまり書いた曲。イントロのベースリフだけはカンタベリーっぽいフレーズだなって思って2,3年前くらいからメモしておいてた。De Loriansのアルバムのbandcampなどの場所での評価や他の各国新鋭カンタベリーサウンドの勢いを見ながら聴いてるうちに自分の内なるカンタベリースピリッツをぶちまけたくなって、僕にしては珍しく春の1ヶ月程度で書き上げた。やっぱりカンタベリーサウンドにはギターだけでなくオルガンとファズのベースも僕は欲しくて、TuxGuitarではファズをかけられないからこの曲は正規の録音をしてから世に出すことを心に決めていた。

僕の歌詞は、内容は書きやすくするため一応決まったテーマはあるけど語感や韻の方を重視しているため文法も違うかもしれないし言っていることも筋が通っていないかもしれない。けれどカンタベリーには詩にも湿度の高めの皮肉やジョークっぽいものがよく見られるため僕もそうしようとした。何を書こうかとしていたときたまたまネットニュースで「『コロナはフェイク・ウィルスだ』とデモが起きている」というのを見た。バカだなぁと思っていたが、社会的思想やしっかりした理論でなくても軽く小馬鹿にできるくらい低い程度の人々だなと思ったので扱うことにした。またカンタベリーの曲名に関しても、普段使われないような単語(「歯」「陸ガニ」「双眼鏡」など)でかつ長いタイトルということが結構多い。元々別の3曲とかではなく1つの曲として書いたが/で区切って3つのタイトルを付けたのはGilgameshのオマージュ。それで、その時なんとなく思った「ウイルスは本物でこいつらの脳はハリボテ、脳みそがウイルスにやられてるみたいだ」というのをそのままタイトルにした。(実際にVirusパートのフレーズがBrainパートのバッキングに乗っているという仕掛けもある)

普段曲名では使われないけどTakeとかItみたいな単語よりは狭義でイメージがしやすい、かつ日常ではたまに使われる少し親近感のある物の単語は「有機的」に感じる。でも曲名全体で見たら意味が不明で無機的に感じる、そんなカンタベリーの曲名にありがちなアンバランス感が気に入っている。

この曲は書くのはスラスラ書けたけど録音は苦労した。ギターやベースでファズをかけたことはあってもオルガンにかけたのはゲス極をやった時にやってみた程度。というかそもそもオルガンのいい音作りがわからない。なんだよドローバーって。歌に関してもかなりHome Aliveとかとは歌い方を変えた。リチャードシンクレアやロバートワイアットみたいな、柔らかくてちょっと気が抜けたような感じもあるけど表情の変化がしっかりある感じ。歌のビブラートもまだ僕はそこまでできないから何回もリテイクした。

個人的にこの曲のいいと思うところは、クリーンのバッキングのフェイザーや、カオスなパートのフルートのワウのかけ方を調整してサイケジャズっぽい浮遊感を演出できたことと、ジョークであり意外性をもたせるSEを使えたことと、良いソロができたこと。エレピは静かに美しく、ギターは鬼気迫るブチギレたサウンドを出せた。あと細かいけどノリで「augから始まるサビがあるならaugで終わってみたらどうなるか」ってやってみたら不穏な雰囲気がピッタリだったのも面白かった。ファズを強めにかけるとラジオが流れるのは結構知られてると思うけど、いい感じにファズベース録り終わったら面白いラジオ音声が聞こえたから面白くてわざと残しておいた。とにかく、カンタベリーというコンセプトは決めてても色々考えたこと全部盛り込めるような感じで本当に作ってて楽しかった。翻って完成させたときの寂しさは一際大きかった。作曲に関する僕の考えや情念を語ろうと思いましたが長くなるのでまた他の機会に別の記事で書こうと思います。

意外にもオリジナル曲の中では現状この曲に対する評価が一番高い。レッシャー以外のSNSフォロワーも多くてこの曲は一番一般受けしなさそうなものだけど、レッシャーを始めそれ以外の人からもFF外からも心の底から嬉しいコメントを頂いた。本当にありがとうございます。

 

4.Mother Nature

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高3のとき書いた曲。C#F#C#F#A#C#というヘンテコなチューニングで適当に弾いてる時にこの曲の陽気なイントロができた。このチューニングをどこで知ったかわからないけど、どうせ多分ジミーペイジなんだろうな。Queenの'39、Led ZeppelinのBron Yr Aur Stompみたいなズンチャカやってギタージャカジャカ鳴らしてみんなで手拍子しながら歌うようなカントリー、すごく好きなんですよね。というかカントリーに限らず大勢で歌うのが良い。Humble PieバージョンのOh La De DaとかKISSのRock and Roll All Niteとか。歌える人間が多いバンドに悪いバンドなし。で、そういった曲を意識しつつアコースティックのソロもやりたいなって考えていたらこの曲ができてました。

高3の年末だったかな、名前は出せないけど桐蔭の英語の先生がよくギターを持ってきて歌を歌ってて、授業終わりにお前なんか弾いてみてよって友達に言われてピンク・フロイドのWish You Were Hereを歌った。そしたらクラスのやつが、卒業前の思い出づくりも兼ねて冬期講習のあとにみんなの前で色々弾いてくれと言われた時にこの曲も弾いた。何も許可とかとらずに桐蔭の大学食堂勝手に使ったけど時効ということで許して!みんなきてくれるということで、受験直前にもかかわらず自分の持ち曲以外にもジングルベルと当時流行りのLet It Goも練習した。浪人待ったなし。大学3年なった4月頃の小平寮のパーティでもティハとのデュオで演奏した。結構僕とは腐れ縁のような曲なんだな

録音にあたって、サビを一人で歌ってもどうも曲のテンションに対して盛り上がりに欠けるなと思って、軽音の歌える人で雰囲気合いそうな人色々声かけて参加してもらった。ありがとうございました。焚き火の周りで酒飲みながら歌いたいという僕の願望も込めて瓶の音とかガヤとか騒がしくしました。途中のくしゃみはレコーディング中本当にしちゃって、後ろ向いてても音入ってたから面白くて残したままにしおいた。大人数の厚みのある手拍子が欲しくて、曲全体×16トラック分の手拍子録音してたら気が狂いました。

この曲家で弾いてたら親父にそれDoobie Brothers?と聞かれたけど全く心当たりありません。どなたか御存知でしたら曲名教えて下さい。

 

 

・告知

宅録にもちょっとずつ慣れてきたということで次は僕が浪人明けに書いた、6パートからなる30分超の曲をレコーディング開始してます。

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この曲は僕が浪人時代センターに必要な世界史がどうしてもできなくて、すでに現役で大学生だった世界史の得意な親友がわざわざ時間を割いてつきっきりで教えてくれて、なにかお礼をさせてくれと言ったら「俺に宛てた曲を作ってくれ」と言われたのでそいつへのメッセージを物語性のある歌詞に隠しつつ、中世ヨーロッパやケルト音楽の要素を土台に書いた曲です。

この曲ができたらYouTubeSoundcloudにあげるだけでなく色々もっと仕掛けを考えているのでぜひお楽しみにしておいてください。

曲の長さと勉強への集中からまあまあ時間は掛かりそうですが・・・

 

 

・歌詞

読みたいと思ってくれた方はこちらを。

2.Home Alive (in the Summer)

Now jarflies' shouts penetrate blue-red sky
What is your lyrics? And your picks are wearing out, just soon be dead
Wish I had a time to love again; no return
Every green leaf knows he cannot be a crimson rose
Don't doubt that you can turn red and burn hearts with pathos anyway
Be a green forest and to the fullest; no return
See the sun, it's gonna cook us, so now, run!
Take your load off away, what do you say
when it turns your soul into the dish with a fish?
Catching winds in the smell of lined green,
saturated with the damp air,
in the night why don't we gather around and drink?
The post looks further than it is
See you tomorrow, be sure!
Inside the home, outside the home
you should be the same
The glare that you have makes me flame
We have no time to sit, wait a little bit
thunderbolt and lightning, do not hit! Clouds, quit!
Know that green gets greener...still
Saturated in a shower washing down all the smells of the ground
Is it applause on jarflies' songs?
All hear the sound and the strong glare robs the light
When you cry I will be with you and share the tears
Even in the night they make a roaring noise just like cannot get away
each other from the bad dreams we show, oh, flash!
Carry on crying'n start raging more and more enough to drink all
Is it the heaven gods' summer fete?
All hear the sound and the strong glare robs the light
When you cry I will be with you and share the tears
Pitter-patter...hit
Raindrops keep on while the others light
Ruthless like I smash the skylight
Raindrops keep on while the others light
Oh, at last, you stopped?
Saturated in a shower washing down all the smells of the ground
Is it Appkause on my lullaby?
All hear the sound and the strong glare robs the light
When you smile I will be with you and share the laugh
Look up, see the sun, it's gonna cook us, so now, run!
Take your load off away, what do you say
when it turns your soul into the cash tobe ash?
Sing it all again
Now jarflies' shouts penetrate blue-red sky
What is your lyrics? And your picks are wearing out, just soon be dead
Wish I had a time to love again; no return
Every green leaf knows he cannot be a crimson rose
Don't doubt that you can turn red and burn hearts with pathos anyway
Be a green forest and to the fullest; no return
So good bye
I'm in love with you

 

3.Fake Brain / Pure Virus / Virus In Brain

I. Fake Brain
Windows of your house that is fogging up
should be cleaned up, or you can’t see the out
The days you loved won’t be back soon
Here is not like a cartoon
Oh, no! Do not open any one of them
That true gold crown isn’t good on you
Why don’t you lie down and read the news
I’m going back to the days that I hate
It’s the only way to retain my head
You know, aluminum foil is not a hard hat,
but your fake brain can be saved, is not it?
Sit here, we are prisoners of a business
Not seesaw but jig saw puzzle or guzzle
Please sit here, we are prisoners of a business
Not seesaw but jig saw puzzle or guzzle wine

The Garret of your house is nothing but a fake
Full of money, how fool you are!
You say that crown is a lie
Head so somewhere like a site?
Living on the web, I think it’s dubious
Maybe caught in and it’s contagious
for your poor garret, don’t make a fuss
I’m going back to the days that I hate
It’s the only way to retain my head
Cannot save your wisdom with damn thick wallet
But your fake brain can be saved, is not it?

II. Pure Virus
While you’re cleaning your own shoes
got to clean the ground you’re on
A cup of a tea watching news,
You may think about these bones
So I’m a virus, killing you parasite
- Would you like housekeeping?
We are everywhere getting lost in the crowd
You are just lucky to be here simultaneously
I’m sorry, but could you be quiet for a while?

III.Virus In Brain
Ahh…..
Da da da da da….
I’m a virus killing you parasite
- Would you like housekeeping?
I’m a virus killing you parasite
- Would you like life assurance?
I’m a virus killing you parasite
- Would you like renovation?
I’m a virus killing you parasite
- Would you like fixed windows?
I’m a virus killing you parasite
- Would you like a home safe?
I’m a virus killing you parasite
- Would you like subscription?
Restarted the storm. We shall do the same in you
And even if you do not swarm, now the Internet will do
You are unlucky to be here simultaneously
I’m sorry, but could you be quiet forever
Why don’t you just lie down the have a dream
It is the endless, for we virus in brain
Ahh…


Da da da da da…
Ahh….

 

4.Mother Nature

Hey, hey, can I take your hand?
I’ll take you to a nice place
Sky is so fine as sand
I’d love to see your smiling face
Hey, hey, can I have some wine?
Soon this makes me so merry
Let’s sing and dance beside thyme
Rhyme while eating a berry
Hey, hey, I’ll bring my friends
and lie down and see the stars
All of us hope you’ll attend
and sing together with my guitar
It’s all right, you’ll feel so better
So bright, unchain your fetter
Now, light! Everyone, clap and stomp!
Please step here, take your mind off
let’s hear everyone laugh
Then we’re aware that we’re so happy
Now, hear the wind blow through the windows
Can’t you hear even when it snows?
Sang well, danced well, and rang bell
Tell me you won’t bit farewell
We’re right even in lightless night
Where the evening ends bright?
Walk on till the end of summer
Welcome a kind late comer

Hey, hey let’s go a long way
There is a cozy old hut
We’d lived there day after day
among warmth and a lot of nuts
Hey, hey, roses in bloom
prick you and trick out you
Wearing natural perfume
You’re like the goddess of the moon
It’s alright, you’ll feel so better
So bright, just get the letter
Now, light! Hope it remains the same
Please step here, you’re not alone
It’s clear you are your own
Let’s hear Mother Nature blessing you
Now, hear the wind blow through the windows
Can’t you hear even when it snows?
Sang well, danced well, and rang bell
Tell me you won’t bit farewell
We’re right even in lightless night
Where the evening ends bright?
Walk on till the end of summer
Welcome a kind late comer

孤独であるということ

僕は孤独が嫌いで、孤独が好きだ。

思い切り哲学的に聞こえることを言って気取ってしまいましたが、この通りなんです。

普段の言動にわかりやすく表れていると思うが僕は寂しがり屋だ。寂しがり屋という言葉もこれまた何か哀れな存在や悲劇のヒーローを気取っているような匂いがするから普段遣いには少し気恥ずかしい言葉ですが。大学時代に常に人といたせいか急に一人でいると人肌恋しくなる。いかにも僕がいそうなメンバーで遊んでるけど僕だけいないときとかもそうだ。僕にとって何人もの会いたい人は、こんなに会っていないと僕のことを忘れていたりしないだろうか、という不安が生まれる。この寂しさそのものを甘美なものとして味わう事ができる人もいるが、少なくとも時間を置かないと僕には到底できない。

あといわゆるコミュ障なのですでに出来上がっているが自分は初対面というコミュニティや、単純に自分と話が合わない人が多い場では喋ってくれる人が当然いなくて、誰も自分に興味がないのかなと感じてしまう。好きな人はいないだろうが、これも嫌な孤独だ。

 

じゃあ好きな孤独とは何か。

夜遅くに一人で出歩いている時、音楽なり絵画なり映像なり壮大な作品を見た時、知らない街に来た時。後ろ2つは一人じゃなくても当てはまる。どうしてこの孤独が好きなのかを具体的に言葉で説明するのは難しいが、「自分は世界を前にあまりに小さく、自分などいなくても世界が当たり前に回ることをまざまざと見せつけられる瞬間」にこのたまらない孤独感に浸れる時のように思える。

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こういう感じのイメージ

1つ目の事例を補足するなら、出歩いているだけだと他の人と一緒にいると会話に持っていかれて感受性が鈍るのと、昼間より夜のほうが皆活動をしていないはずなのに静かに動いているという印象が大きいからだと思う。これはよくある夜=エモといった単純な感覚とは違うと自負している。むしろそれは本来一人でいるべき時間に人といることで孤独をかき消しているだけだから真逆じゃないかな。

話を戻すと、そんな世界を目の当たりにすると「外界は自分に見向きもせず動いていて、かつ自分の行動の選択肢とそれを実現できる範囲があまりにも広すぎる」という一種の自由を感じるのである。タスクが多くて生活に自由がないときですら、その瞬間だけは何者にも束縛されない自由を感じる。その自由は精神面の安らぎでもあるが、時と場合によっては身体までもが重力から開放されるような錯覚を覚える。空すら飛べるように思える。空だけじゃなく、自分を見ずに動き続ける世界のほんのひとかけらをこっそり自分の世界に引き込んで意のままにするファンタジーすら思い描ける。この自由こそが孤独感に浸れる理由ではないかと僕は考えています。

 

じゃあそんな全く別の孤独を並列で語ってもしょうがないだろとなるが、この2つの孤独は全く別ではなく、近いものがあると僕は感じる。

大人数の中で一人で酒を飲んでいる時も、自分がとても小さく感じる。僕が会いたい人が僕のことを忘れている時も、自分などいなくてもその人達は当たり前に生きている。寂しい話だがこの寂しさが自由に繋がっている。その寂しさを単純な寂しさとして消化するか自由として昇華させるか、僕の場合自分のいる場所や時間、その時五感で得る刺激がその選択をかなり左右しているから、その孤独が好きにも嫌いにもなりうる。一人でいることに不安にならない人は昇華の選択をうまくできる人か、先に述べたように常に寂しさにすら浸れる人か、あるいは自由を求めるのを忘れてしまった寂しい人かだろう。

 

 

こういった(一般的には)正と負の印象を持つ者同士が同じ線上にあることをたまに感じる。美しさの向こう側に死が見えたり、行き過ぎた擁護が傷つけることに繋がったり。ちょっとこれだけでは抽象度が高すぎるので、かなり僕の感覚に基づくものですが説明させてもらいます。

前者はなにか美しいものたちにはやがてそこに死が待っているから今の生が輝いているという終わりあるものの美学だけではない。美しいものには皆二面性があり底抜けな明るさだけではなくどこかに影や哀愁を必ず持っていて、底なしの暗さだけではなく光や希望を持っていて、彼らの持つその二面性は今生きている自分にとって近い存在にも現実世界を逸脱した遠い存在にも感じさせる、つまりそれは一番イメージとして近いのは死なのではないかということ。加えて、美しいものには感じる者をその世界に引き込む力があり時にはそれに触れるために、交わるために死さえ厭わなくさせてしまいそうな魅力があるということ。良い具体例を交えられない自分の思考に腹が立ちますが、こういった背景からか美しいものに触れると僕はぼんやりとした死をその向こう側に感じることがよくあります。

後者は今まで書いた内省的なことよりわかりやすいことかと思います。僕は人種差別には反対だけれど、思考が人ほど巡らない自分の物言いが無意識な差別発言になってしまうのを恐れて今まであまり昨今のBLMなどについて発言しなかった。けれどあるニュースを見てこれを思った。「黒人保護を掲げた団体が黒人のための居住区を作った」たしかこんなニュースだった。黒人の人権を保護しなければならない、という考えを推し進めた結果アパルトヘイトと似た環境を作ってしまっているように思える。人種差別だけの問題ではない、LGBTについても、それを人に明かしたら気を使われて特別扱いされてなぜか励ましの言葉をくれる人がいるが、当人たちが望むのは「へぇ、そうなんだ」くらいの一般的な扱いであるという話もだ。動物の保護のために害虫や天敵を駆除したら却ってその動物を危機に追いやってしまう、この話もだ。絶妙なバランスでの調和が期待される多くの物事に関して、偏りを修正しようと立場の弱い側に一気に肩入れするとその天秤はグラグラ揺らいで崩れてしまうというのがこういった事柄から得られる教訓ではないでしょうか。至極当然のことだけれど注意していないと知らぬ間にこれをやってしまうことが多々ある気がする。

 

 

自分が思っていたことを近い話題が出た時にここぞとばかりに持ってきたくなるのでついつい脱線してしまいました。しかし今本線に繋ぎ直せるのは、僕は孤独における寂しさと自由のバランス、これは少なくとも僕にとっては必要なものであり無理にどちらかばかりを取ろうとしてはいけないということです。いつだって一人でいられる人間が立派という考えを時々見かけますが、それは僕にとってはあまりにさっぱりしすぎていて趣に欠ける。寂しい孤独を嫌いと言ったけれど、その時嫌に感じても後になってみるとその感情こそ言葉にし難い深みがある。寂しさを昇華させずそっととっておく時間も一期一会の人の世ならば必要じゃないでしょうか。けれどだからといって寂しさを抱え込んでウジウジしていても湿っぽすぎる。どこか寂しく哀愁を抱えながら自分だけの、少しばかり現実世界を離れた自由を描くのが僕にとっての孤独とうまく付き合う美しい生き方なのかなと考えました。自分の生き方を眺めて死がちらつくのもどうかなとは思いますが。孤独と身近なコロナ時代だからこんなことを書きました。

かなり漠然とした感情や感覚を思考に変換した自分なりの解釈を綴っただけなので、ここは違うとか自分はこう感じるとかあったら何でも言ってください。

 

2020年上半期を振り返って

毎年毎年この時期になるともう今年も半分終わりか、と言うのが当たり前になってきてる。実際1〜6月の方が7〜12月よりもあっという間に感じませんか?僕だけかもしれませんが、単純に年度の前後で新しい生活や人との出会い、そのための準備に労力を割いているからとかですかね。

 

とはいっても僕にとって年度が変わってからはただずっと家で勉強して合間に音楽やゲームをやる日々になっただけで、特に準備することもなければ短期的な気を揉むようなこともないし、いつもの新歓だとか就活だとかのような忙しさは全くない。卒業間際のイベントの熱量が大きかったから、といったところでしょうか。というのも、両サークルの最後のイベントが終わった瞬間に時が止まってまるで嘘の世界に生きているような感じがしていて、ずっと家にいて人と直接会わない環境がそれを助長し4月からつい最近まではまるで意識がないまま生活しているような感覚だったというところです。

最近ようやく、以前ほどの外出は控えつつもちょくちょく友達と会うようになってきて、止まっていた時間が少しずつ動き始めたように感じます。追いコン以来弾いていなかった、僕の相棒であるギターをやっと回収できたのもあってなんだかやっと秋葉龍が誰だったかを思い出してきました。

 

 

 

話が変わりますが年度が変わってからちょっと僕自身にとって変わったなと感じることが一つあって、それがこのブログを始めたきっかけでもある考える、ということを以前よりなんとなくできるようになったということです。といってもまだ家での今までと同じ生活が日常の80%なのでそこまで多くの場面ではありませんが・・・

飲み会や遊ぶ時間が減ったからできたんだと思うけれど、最近頑張っている宅録の音作りや録音、演奏自体だけでなく趣味のスマブラ、麻雀も上手い人の動画をYouTubeで見たりネットで調べたりするようになった。そしてそれを鵜呑みにするだけでなく自分のプレイの何が悪くて何が良いのか、100%結果に反映はできなくてもプレイが終わってから、そしてプレイ中も考える能力がなんとなく身についてきた気がします。これは当たり前のことだけど、今までの自分はそれすらできてなかったと思うと今までの時間がもったいなく感じますがそれはしょうがない。

もちろんそれは今やっている資格の勉強にも言えることで、勉強、趣味において考えることができるようになってから一つ見えてきたのが、僕は習うにも慣れるにも人一倍時間が必要であるということ。これはもう考える考えないの領域を超えていて、生まれ持ったスペックだと思う。いくら考えることができるようになってきても結果に現れるのがかなり遅い。つまり要領が悪い。僕のポンコツぶりを大学で弄り倒されてたときから薄々感じてはいたけど、いざはっきり自分で認識すると辛いものがある。「自分は父親に似ている」と昔から思い続けてきたが、父は多少の苦手分野はあるけれど要領がいい人間だと思う。仕事に関しては経験や知識がものを言っているところも多いんだろうけれど、それだけではないように見える。父のことは僕は好きではないがそういうところは凄いと思うし、自分とは違うと感じた。昔から僕の要領の悪いところには悪口を言われてきたがこの差は何が原因なんだろう、やはり先天的なものなのか。外出自粛で物理的な距離は近くなっているのに心理的にはどんどん遠くなっている気がします。

 

とあまり精神的に元気じゃなくなっているように見えるけどそれほどでもありません。前に言った気がするけどいわゆる「病む」ことが多い人ってそれほど色んなことが気にかかるし、悲観的とはいえ自分にとって懸念すべきことをしっかり捉えられているしある意味すごいと思う。僕は圧倒的楽観主義人間できたけど自分にはないものをそういう人たちは持ってると思う。

 

話を戻すとそんな要領の悪い自分でも音楽は一応自分の今までの人生の中では一番力を入れてきた分野なわけで、器用ド貧乏ではあるが色んな楽器を扱うことは一応できる。僕が全く大学で学ばなかった経済学でも数少ない覚えている用語で「比較優位」というものがある。たまたま知っている言葉を得意げに言うなと言われそうですが、人よりは劣っていても自分の中では最も高いパフォーマンスを発揮できる分野に力を入れるっていうような話です。僕が今活発に宅録してどんなに伸びなくてもめげずに作りたいと思い続けられるのはそれのおかげかもしれません。

音楽への情熱といえば以前こんなことを聞かれたことがあった。「自信を持って生きているように見えるがけど、(嫌味とかではなく)その自信はどんなところから来ているの?」って質問だったかな。迷わず僕は「自分の作る音楽、愛する音楽に誇りを持っているから」と答えました。音楽で食っているわけでは全く無いけれど、僕の人生にハッシュタグをつけるとすればまず最初に音楽が来るだろう。ならばそれが自分の心の拠り所であればよい。全てを上手くこなせなくても譲れない1つがあればよい。自信があると言ってももちろん、こいつには敵わん、とか自分には作れん、という音楽は大量にあるし、というかそういう人や音楽がほとんどである。それに自分の作っている曲は一般受けはしないようなものだし自己満足かもしれない。けれど僕は自分が作った楽曲に関しては100%自信を持って傑作だと言える。10,000人に「お、いいねこれ」と思わせられなくても世界中の誰か1人を「こいつはすごい」と唸らせられるようなものは作れると思っている。自分だけにしかできないと胸を張って言えるこだわりがある。そしてこれも競うものではないが音楽への愛は揺るぎないものであり誰にも負けないとも思っている。要領の悪い人間でも悪いなりにがむしゃらに、その自信でもって今後も一生音楽を作り続けたいと思います。そろそろオリジナル曲録音でもしようかな。

 

 

 

 

とまあ真面目に内省をするだけで終わるのももったいないので、せっかくこの上半期を振り返るならこの上半期で出会って感動したアルバムでも紹介しようかと思います。

 

1.Of Queues And Cures (National Health)

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こういうちょいグロ、ちょい悪趣味系のジャケってプログレならではな気がする。散々これのことTwitterで言ったけどもっと早く買えばよかった。知っている人ならもう当たり前に知っているバンドだが解散したHatfield And The NorthとGilgameshカンタベリー界の偉大な2バンドが合体して生まれたバンドだ。でもやっぱりその2バンドとは全然違う印象を受けるのはエレピもオルガンもシンセも全部あるという点だろうか。あとギタリストとしてはフィルミラーのファズギターがかつてないほど全面に出ているからだろうか。アヴァンギャルド要素が少なくて構成も5大プログレのような組曲形式が多いからだろうか。そういう分析はおいておいて、とにかくカッコいい。カッコいい、という形容詞が似合うカンタベリーも珍しいだろうか。ギターもベースもオルガンもファズで暴れまくるというシーンが有ったかと思うと管楽器やクリーンのオルガンが綺麗に聴かせるシーンもあるという緊張感が良い。1stの方が多分有名だけど僕はこっちのほうが好きかもしれない。

 

2.Weißes Gold (Stern Combo Meißen)

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プログレの数多のサブジャンルの中で異色を放つドイツのクラウト・ロックというものがある。ミニマル・ミュージック寄りでテクノの源流とも言えるような電子楽器の活躍するジャンルである。けれど僕はどうしてもこのジャンルが今でも好きになれず、Tangerine DreamやPopol Vuhも、プログレやドイツにとどまらず名を馳せるCanやKraftwerkもどうも好きになれない。ロック色があまりに消えているから?前衛的すぎるから?いまでもよくわからないが、辛抱して聴いてたらいつしか大好きな作品になっていることを祈って時々聴いてみるか。話をこのアルバムに戻すとこのバンド、ドイツの70年代後半ころから活躍しているプログレバンドだが、いわゆるクラウトロックではない。Triumviratなどにも似た「ELP系」と言われるキーボードトリオ系のジャーマン・シンフォだ。このバンドはキーボードもドラムも2人ずついてトリオではないが。ギターレスのバンドだと逆に表現の幅が広がるように感じるのはギタリストとしてはどうなんだろうかと思うが、主にクラシックやジャズにかなり近いところまでロックを寄せられると思う。クラウトは好きじゃないけどジャーマンシンフォは大好きだなあ。このアルバムは70年代末期というのもあってか少しポップな感じもあるが、僕にとっては数あるポップ化してしまったプログレバンドに比較したらかなりいい塩梅のポップ加減だと思う。ダイナミックでわかりやすくかっこいいクラシックが好きな人なら刺さるかも。

 

3.Band Of Gypsys (Jimi Hendrix)

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ジミヘンはそれはもう僕がこの年代のロックにハマってGoogleで「ブルースロック 名盤」とか「ハードロック 名盤」とかを調べてはTSUTAYAで借りたりユニオンで買ったりを繰り返していた頃から聴いていたが、And Experience時代の3枚とモンタレー、ウッドストックのライブ盤と1枚のコンピ盤しか聴いていなかった。一般的な評価が高い3枚だったからだ。というバンドは結構ある気がする。世間的に評価が高いアルバムとライブ盤だけ聴いてその前後は聴いていないというもったいないバンドが他にもいくつかある気がする。この盤のなかではMachine Gunだけは知っていた。ベトナム戦争のことを歌い、ギターが悲鳴を上げドラムが銃声を鳴らし、ユニヴァイブが鬱蒼とした密林を描くまるで映画でも見ているようなライブ映像を見たことがあった。そういった戦争が映画でなく現実に起こっているからこそ彼らは演奏していたわけだが。このバンドはリズム隊の影響もありファンク寄りとも言われていて実際にエクスペリエンス時代のサイケ・ブルース感はたまたR&B由来のバラード感は薄れているが、変わらずヘンドリックスの音、フレーズ、世界観がそこにあるっていうのが世界最高と評される理由なんじゃないかと思う。このバンドでの演奏もっと聴きたかったしマイルス・デイヴィスとのコラボも聴きたかったな

 

4.Country Music's 2 Guitar Greats Merle Travis & Joe Maphis (Merle Travis & Joe Maphis)

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 だいぶ前に代官山TSUTAYAで旧作10枚1000円セール時に数合わせという微妙な理由で借りたものの全く聴かずにいたアルバム。借りた当時もこの2人のビッグネームは知っていたがこの2人カントリー仲間とはいえ違うタイプじゃん・・・そう思って全く聴いていなかったのを後悔した。マールはチェット・アトキンスが多く学んだというギャロッピングのソロギターをよく弾く人でジョーはブルーグラス系のマンドリンもヴァイオリンもコンバスバンジョーもありえないレベルの速弾きができる人。パクりたくなるフレーズがたくさんのギタリスト向けなアルバムだけど残念なのは、サウンドと曲調がアルバムを通してあまり変化がないこと。のんびりとした雰囲気を味わいたいイージーリスニング的な聴き方もいいかも。

 

5.Sweet Georgia Peach(Russell Malone)

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普段家で宅録している曲も色んなジャンルをやっているけどジャズはやっていない。フュージョンのコピーならしたけど。ジャズは宅録するよりセッションのほうが楽しそうだし、アドリブで録っても良いのが録れる自信がない。そのせいかジャズから離れてしまっていてジャズ研を引退してからあまりジャズをdigってなかった。これはまだ聴いてた3月とかに見つけたやつかな。僕が好きなジャズってコンテンの中でも少しプログレッシブな雰囲気を感じさせるorキメがかっこいいやつと、正統派なバップで良いメロディを奏でるやつっていう結構両極端な感じがする。このアルバムは後者で本当にストレートなジャズをやってる感じがして、ジャズ研に入って初めてバップというものにまともに触れた頃を思い出した。ギターの音もこういう、メロウすぎないけど温かみのあるフルアコサウンドっていうところが僕好みなのかもしれない。これを書くために情報を調べてたらなんとロン・カーターやケニー・バロンが弾いてるらしい。そりゃいいアルバムなわけだ

 

番外編.The Rotters' Club (Hatfield And The North)

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最近口を開けばHatfield And The Northだし今更語るには遅い大傑作だけどもどうしてもこれが入れたかった。こんな大名盤は前から知っていたし好きだったが、それが年月をかけてどんどんどんどん良さが染みるように伝わってきて、聴けば聴くほどスルメのように美味しさが感じられてというのがここ半年で起こったというわけだ。浪人の頃友達にもらって最初に聴いた頃はアヴァンギャルド感のせいか、あとエレクトリックジャズ耐性がそこまでなかったせいかあまり好きではなかったが我慢して聴くうちに好きになっていったタイプだ。半年くらい聴いてたら好きになってて、4年経った今では私を構成する9枚に入れるレベルだ。このバンドを好きな人が軽音にいたのが驚きだったし、ぜひ軽音もジャズ研も、その他の僕の知り合いの方々にも聴いてもらいたい1枚だ。非の打ち所がない。インプロヴィゼーション合戦の大曲や展開の読めないジャズ・ロックと言ったプログレッシャー向けの曲もあるが、どこか哀愁のある歌ものやカフェで流れそうなおしゃれエレピ、限りなく美しいメロディに軽快なジョークが効いた曲、聴いたら時間を忘れること間違いなし。僕のようにある程度熟成期間が必要な人もいると思うがピンとくる人は一発でのめり込めると思う。

 

 

 

 

という感じで久方ぶりの記事なもんでかなり長くなってしまった。言いたいことを詰め込んでいたから支離滅裂かもしれない。

学生時代の音楽史の断片

年度が明けた。ついにニートになってしまった。専門学校の生徒という身分ではあるけど明確な学生証もない。僕は大学受験浪人のとき明確に浪人は1年だけして受かったところに行くと決めていたが、今回は公認会計士試験に受かるまでどこにも行けない。だから本当に僕自信の心持ちとしては完全にニートです。そのくらい自分はどうしようもない立場なんだと追い込まなければ勉強しない気すらしますね。

 

とすれば一旦は昨日で学生を終えたということになります。僕はこれからも音楽を続けていくつもりですが、学生時代に始めてからずっとやってきた音楽、作曲、録音の集大成として割とウケやすい作品を作りました。ぜひお聴きください。

https://www.youtube.com/watch?v=YhFxiCe-L5Q

www.youtube.com

 

これを作ったのも浪人が決まった高3の春だった。マンドリンを買ったからケルト・クラシックっぽさのある何かを作りたいってなって、その時ちょうどポケモンが懐かしくてやってたり友達とゼル伝やってて音楽が好きだったから作り始めた。その時はフルートとかは大学入ってからの友達に任せようかなと思ったけどフルートという楽器が好きすぎて合格したら自分で買って始めちゃった。

こういう多重録音1人オーケストラみたいなのはその頃見てた数々の動画にも触発されてる。いくつか語らせてください。

 

 

・「『夏影』をいろんな民族楽器で演奏してみた」

https://www.nicovideo.jp/watch/sm21720270

www.nicovideo.jp

高3の夏に友人にアニメのAirを見せさせられてそのBGMのピアノのメロディの美しさに心打たれた。僕はもともとニコニコ動画大好き人間だったのでこの曲は「松岡修造が受験生を応援する」みたいなMAD動画のBGMに使われていて聴いたことはあった。それでいろんな人のアレンジを聴いていてたどり着いたのがこれ。その頃の僕はケルト音楽にもどっぷりハマっていたためバグパイプ・イーリアンパイプスにメロメロだった。加えて僕の大好きな12弦ギターがこうも贅沢に使われているともうそれは毎日10回くらい聴いていたのも不思議ではない。当時こういう概念は知らなかったが、それらのパイプやインドのシタールなどに代表されるようなドローンという、同じ低音をずっと鳴らす手法をツェッペリンビートルズかなんかの曲で聴いてそこに広がる宇宙を"回る"ような感じに惚れていたんだと思う。たった1つの音なのにそこに無限の広がりを感じさせるってすごいなって思う。僕だけかもしれないけど。現代の音楽の流行がミニマルな方向に行ってるのもそこに何かしらの広い音像を求めてるからなのかなとも思った。

大学入ってからちょっとだけいたケルト音楽サークルで初めて本物のイーリアンパイプスの音を生で聴いて涙が落ちそうになった。けど合宿先で目覚ましでそれ鳴らされたときはうるさくてへし折りたくなった。

オタクはジャズやバカテクメタルみたいな音楽に行く傾向があるみたいだけど、ケルト人口もそれなりにいるとおもう。まどマギのBGMや主題歌も確かケルト風だったし、今回先程の動画取り上げたゼル伝時のオカリナの城下町のBGMもそうだ。ケルトやそれに近いアメリカのブルーグラスではジャズやメタルに引けを取らない超絶技巧をこなす名手もいる。それでいてメロディは親しみやすいのだからこの音楽が好きなオタクは一定数いると思う。そんなオタクが集まるニコニコ動画でなんでこの動画がもっと伸びないのか不思議でたまらない。

 

 

・Super Mario World: Overworld Theme Song - Adam Mormolstein

https://www.youtube.com/watch?v=0nAnDVU_3BA&hd=1&ref=pc_watch_description

www.youtube.com


リンクはYouTubeだけどこれももともとはニコニコ動画で見つけたもの。高3のときはプログレ5大バンド卍キッズだったので狂ったようにYesやELPを聴いていた。その時Yesのギタリストスティーブ・ハウのソロギターに心酔し、高3の夏を費やして彼の"Clap"という鬼のように難しい曲を習得した。YouTubeにも演奏動画あげた。出来は全然だが。それからというもののその曲のようなカントリーのソロギターを涼しい顔でこなせたらかっこいいだろうなと思うようになり有名所ばかりだがチェット・アトキンス、トミー・エマニュエル、マール・トラヴィスをよく聴いてコピーしようとしたがだいたい挫折した。そもそも採譜に多大な時間がかかりすぎる。これらの人の演奏するカントリーギターはギャロッピングと言われる、跳ねるようなベースの音を低音側の弦で弾き、メロディを高音側で弾くという奏法だから採譜が2楽器分ある上その2楽器を一つの楽譜に起こすとなると書きづらいわ見づらいわで。そんな中コピーした数少ないソロギター曲の1つがこれだった。上記の4人のものではないけど。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm7516145

www.nicovideo.jp

でこの曲もいろんな動画を探していたら上のAdam Mormolsteinの動画にたどり着いた。カントリーではあまり使われないがこのグロッケンが良い。グロッケンとかリコーダーっておもちゃの楽器のような(個人的な意見です)音で小学校でやるからなのか、少しバカにされていると言うか過小評価されていると思うんだけど本当にシンプルで綺麗な音が出せる素晴らしい楽器だと思う。ジェスロ・タルやペンタングルの影響で中世ヨーロッパのいわゆる古楽を聴き始めてから僕はひたすらリコーダーとグロッケンの良さを友人に語る気持ちの悪い人間になっていた。自分で木のリコーダーも安物グロッケンも買っちゃった。

あとついでだけどこんな動画も見ていた。プロのラグタイムピアノ奏者が初見のゲームの曲を渡され弾くというやつだ。他にも色んな曲やってるから見てみてほしいです。

https://www.youtube.com/watch?v=JZMroQOtS_U

www.youtube.com

 

 

Mike Oldfield - William Tell Overture

https://www.youtube.com/watch?v=tahINCwwfks

www.youtube.com

僕はマイク・オールドフィールドになりたかったのかもしれない。音楽性は違うところもかなりあるが通ずるところも多い。それだけでなく、一人で何でもできるしギターもうまいが彼はギタリストというよりは音楽家であると思う。僕もギターはそこまで弾けないが、それでも人を感動させられるすごい音楽を作れるような人間になりたいと思っているし、自分の音楽の世界へのこだわりに関しては彼のような姿勢を一番尊敬している。その姿勢を僕も軽音で貫き通したと思っているし、その成果はそれこそ3年の夏合宿でやったMike OldfieldのTubular Bells Part 1で現すことができたと自負している。

僕はもともとヴァイオリンをやっていたのでクラシックがある程度好きでよく聴いていた。詳しくはないけど。この曲はゲーム音楽ではなくもともとクラシックの皆さんご存知の曲なのだけど、アレンジも使っている楽器もまた彼がケルト音楽が本当に好きなんだなって感じさせますね。なんかケルトの人マルチプレイヤーが多い気がするけど気のせいかな。前入ってたケルト音楽サークルでも笛色々できたりとか弦色々できたりみたいな人多かった印象がある。

なんだかいろんな音楽の知識をひけらかしてるみたいになっちゃったけど、ただ単に広く浅く雑食なだけです。

 

 

 

とまあこういう動画を当時ひたすら見てて憧れがあってそれをようやく形にしたという感じですね。一度Garagebandで大2くらいのときに結構制作を進めたんだけど、やっぱり使ってる機材もあまりよくなくて録音が思うように行かなかったり編集が難しかった。それで大3だったかいつだかにそれの延長とも言えるLogicを購入してちょくちょく撮り溜めてたんだけども、あまり家に帰らないし家で楽器弾いてるときは大体音取りだから録音する時間もそんななく、気づけば大学生最後の日までかかってしまいました。Logic買ってよかったなあ。作曲はTuxguitarでやってあとは外バンでどっかのスタジオで録音すればいいだろと思ったけど、外バンができないもんだから宅録を始めようと思い立って先輩におすすめしてもらったのがLogicでした。

そんな風にTuxで作って歌詞まで書いたけど実際には録音してないっていう曲が山ほどあるのでこれからちょくちょく録音してYouTubeとかに載せたり、良いものが出来上がってきたらサブスクも視野に入れようかなと思っています。

さすがにこの身分で学生時代のようにひたすら音楽だけやれるわけではないので、勉強の合間の休憩時間とかをうまく使ってモノにしていけたらなと思うので、これからも雑魚の音楽家秋葉龍をよろしくお願いいたします。